あぁ、だから一人はいやなんだ。3:いとうあさこ著のレビューです。
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あぁ、だから一人はいやなんだ。3:いとうあさこ
感想・あらすじ あさこさんの日常は「文化祭前夜」のにぎやかさがある
芸人・いとうあさこさんのエッセイ「ああ、だから一人はいやなんだ。」。シリーズ3巻目。2巻目を読み逃してしまいましたが、1巻目が面白かったので、直近のシリーズを読むことにしました。
エッセイとは言え、文字がびっしり詰まっているので、読むのに時間がかかったかな。ちびちびと数日間にわたり読みました。今作はコロナ前からはじまり、コロナ禍に入ってからの生活ぶりも綴られている。
又吉直樹さんのエッセイもそうでしたが、売れっ子芸人さんたちもコロナ禍は全く仕事が止まっていたのだなぁ....ということがこうしたエッセイで明かされるわけだが、彼・彼女たちの孤独や焦燥感、そして、毎日変化のない生活の中で、なにかを模索している感じが窺える。今となっては懐かしく思える「ステイホーム」の部分も描かれている。
とは言え、じっとしていないあさこさん。50代に突入しても超アクティブです。いろいろ体の変化を感じ、あちこちケアをしつつ動き回っている。仕事で国内外行っている印象が強いですが、プライベートも同じくらいあちこち行っているんですよね。
この年でこれだけ動ける体力は羨ましい限り。さすが無人島生活経験者だけのことはある。根本的にに身体が強い方なのだろうなぁ。そして、彼女のバイタリティの源はやはり「おいしいお酒と女友達」なんじゃないかと。
本書には必ずあさこさんの食した「おつまみ系の料理」が紹介され、画像も掲載されている。呑兵衛が好きそうなおつまみと、それを共にするお友達。特にあさこさんと大の仲良し、大久保さんはこの一冊に何回登場したことか。
わたしは大久保さんのエッセイも読んでいますが、あさこさんが大久保さんに寄せる熱量の方が俄然高いと感じます。大久保さんはどちらかと言えば姉キャラで、あさこさんが妹キャラと言ったムードで、何か困ったことがあると一目散に大久保さんに訊いてみよう、どこかへ行くとなったら、大久保さんの予定を....などなど、常に大久保さんの名前が出てきます。大久保さんはいつも冷静モードで、ひと言であさこさんを落ち着かせる力があるというか...(笑)きっとあさこさんにとっては頼もしい存在なんだろうな。
他にも森三中の村上さんとふたりで「おばキャン」(おばさんのキャンプ)に出かけたりと、最近のあさこさんはキャンプにもハマり、休みになると近郊でキャンプをしているようです。
うちの母はあさこさんをTVで見るたびに、「あさこさんって、旅館の女将さんになるといい仕事する感じの人よね~」って言います。確かに人のお世話もチャッチャとしてますし、なにより本当に動き回る方。「する」と決めてからの行動力とか、実行に移してからの働きぶりは本当に完璧と言うか、旅行に行く時、こういう人が幹事だと、あっという間にまとめてくれる感じだ。そんなあさこさんが理想の上司にいつも選ばれるのは必然だったわけですね。
ということで、タイトルは「あぁ、だから一人はいやなんだ。」なんてぼやいていますが、一人だから楽しめる術(すべ)をたくさん持っている方だと思います。仕事も遊びも100%で挑んでいく感じが眩しいあさこさんを堪能させていただきました。
いとうあさこプロフィール
1970年東京都生まれ、芸人。テレビ「ヒルナンデス!」「世界の果てまでイッテQ!」「トークィーンズ」、ラジオ「ラジオのあさこ」「大竹まことゴールデンラジオ!」をはじめ、多数の番組にレギュラー出演中。(Amazonより)
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