まるごとバナナが、食べきれない:大久保佳代子著のレビューです。
☞読書ポイント
仕事をする50代女性の等身大!小さな毒吐きながらもたまにホロリ。
女芸人として現在大活躍中の大久保さん。オアシズの光浦さんとコンビを組まれていますが、その光浦さんは現在カナダへ留学中。ということで、二人揃ってのテレビ出演はめっきり見なくなってしまいましたが、大久保さんはほぼ毎日、どこかの番組に出ているといった印象です。
最初は光浦さんのほうが売れていた感じですよね。めちゃイケにお二人そろって出ていましたが、大久保さんと光浦さんがコンビだってことすら知らず、「この普通な感じの女性は一体だれ?」って思っていた時期が私にもありました。あの頃は確か大久保さんはOLと芸能の兼業だったわけで、今のようにテレビ自体それほど出ていなかったんですよね。
今は完全なる芸能人。しかし、本書を読むとなんかホッとする。大久保さんの普通の感覚にものすごく親近感がありました。「そうそう、わかるーー」ってものが、本当に庶民感覚と言うか。
もちろん、登場人物は今をときめく芸能人ばかりですが、そのお付き合い関係なんか見ていると、私たちとなんら変わらない仕事仲間の集まりって感じで、芸能人である壁はそこにはない。
女友達に対する感情や愚痴めいたこともサラッと書かれているが、そこも飾らず、正直な感じがよい。関係性が健全だからこそこんな風にさらけ出せるんだと思います。「所詮みんなそんなもんですよね。」って、思わずクスクスと笑ってしまう。
家族、恋愛、女友達、仕事、ひとり飯という大きなくくり。ひとつのエッセイが4ページぐらい。どの話も妙齢独身女性の日々のことが綴られる。特に家族に関する話がいいな。実家の食事のこととか、お兄さんのこと、高齢の両親に対す思いなんかも共感。
ずっと仕送りをしてもらっていた両親への恩返しを今している大久保さん。たまにしか帰れない実家、帰った時は掃除などやれることはやって来ると言う。キッチンに大量に落ちてる輪ゴムを延々と拾い続けている....なんてくだりは、「なーんかそれわかる!」って。うちの親もなんだけど、ゴム落としたまんまなんですよね(笑)
こういう小ネタが普通すぎるぐらい普通でほっこり。小さな毒を吐きながらもホロリと来る内容が散りばめられていてあっという間に読了です。
大久保さんはある意味OL時代の感覚がずっと残っている方なんですよね。というか、その感覚のままでいて欲しいななぁ。そして、光浦さんが戻って来たら、またコンビでの姿を期待ておりますっ。
【つなぐ本】本は本をつれて来る
相方の光浦さんも、カナダ留学前にエッセイを出しています。光浦ワールドもいいですよ!50代、まだまだチャレンジ中の光浦さんにも注目!
仲良しのいとうあさこさんの本も楽しいです。