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【レビュー・感想・あらすじ】ハラヘリ読書:宮田ナノ

 

 

ハラヘリ読書:宮田ナノ著のレビューです。

 

☞読書ポイント 

文字を読んでいるのに、あら不思議、目の前に美味しいものが浮かび上がり、無性に食べたくなることはありませんか?本書はそんなおいしいものと作家たちや作品について食いしん坊目線でピックアップ。乙女なコミックエッセイです。

 

感想・あらすじ 

 

本を読んでいると、かなりの確率でおいしそうな食べ物や料理に出合う。それが小説なんかだと字面だけで想像が果てしなく膨らんでしまう。実存するものなら私の場合、即検索に走ります。「なにもそんなに急がなくても?」って言われそうですが、「料理は冷めないうちに」と同じように、この湧き上がる食欲を満たすために、まずは「ブツ」を見ておかなきゃとパソコンにに向かうのです。

 

とにかくさすが物書き。おいしい料理をさらに美味しく仕上げてしまう文章にうっとりとさせられることは日常茶飯事のことである。そんな美味しいものを書いている本を宮田さんがピックアップしてくれている。

 

 

 

エッセイ集かな~と思ったら、コミックエッセイでした。イラストを見た瞬間からなにか「ほっこりムード」に飲み込まれる。チマっとしたイラストが乙女な可愛さと相まって、ページ全体がほんわか。

 

しかし、本に対する気持ちは熱く、その本の良さをグイグイと入れ込んでくる。わたしの読書傾向が近い感じがする宮田さん。ちょっと前の時代の森茉莉や百閒先生から、村山春樹や平松洋子などの現代作家まで取り上げている。既読本が多かったので、読みたい本が増えるといったことがなかったのはある意味ありがたい。読んだ作品のことを思い出しながら読めたのは楽しかった。

 

読んでいて思ったのは、やはり味覚にまつわる思い出って、結構他のことより覚えているもんですよね(いや、食いしん坊だけか...?)そこに文学が絡んでくることも多々あったのも事実。宮田さんは文学とそんな幼き日の思い出をバランスよく織り交ぜながら描いてゆく。

 

私が大きく共感したのは、昔の人が書くカタカナ表記の食べもの。以前、林芙美子随筆集 (岩波文庫)で「ハムエッグス、コオフィ、マアマレイドにピーナツバタ」なんて文字を見て、ものすごく美味しそうに感じたものだ。宮田さんも森茉莉氏の本からこのような表記を見て「詩的」と言っている。なんでしょうね。「コーヒー」と「コオフィ」、同じものなのにこんなにも印象が変わるなんて。まさに表記のマジック。

 

(イラストはAmazonよりお借りしました)

他にも宮田さん自身の味覚変化と角田光代さんの体験をを重ね合わせたりと、本から受けるものってやっぱり大きい、、と言うか、いつの間にやら潜在意識に入り込んでいるものと感じずにはいられませんでした。

 

巻末に「日々郷愁」という、新コミックエッセイプチ大賞受賞作が掲載されています。こちらもいい話がたくさん。宮田さん、ふたごちゃんだったんですね。星の観察に行く家族っていいなぁー。とにかく、ほんのりとした郷愁気分が味わえました。

 

自分がもしおいしい本を紹介してって訊かれたら...なんてことも考えた。パッと浮かぶのは、やっぱり平松洋子さんと谷崎潤一郎。岡本かの子の「鮨」は最高だし、永井荷風とは案外味覚が合いそう。スイーツなら千早茜さんも最強。と、止めどなく出てくるぞ!と。(笑)

宮田 ナノについて

1995年群馬生まれ。イラストレーター。
「日々郷愁」にて第10回新コミックエッセイプチ大賞を受賞。(Amazonより)

 

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