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【感想・あらすじ・レビュー】小日向でお茶を:中島京子

 

 

小日向でお茶を:中島京子著のレビューです。

 

感想・あらすじ

中島さんの小説は「小さいおうち」からはじまり、気づいたら結構読んできたように思う。そのわりに、中島さんがどんな方のか知らなかったのも、こうしたご自身の日常を綴ったエッセイを全く読んだことがなかったからかもなぁと。ちょっと調べてみましたが、エッセイはアンソロジーなどに入っている程度で、まるまる1冊、中島さんが書かれたエッセイは今回が初かも?.....なんですよね。

 

とにかく中島さんの小説は、純粋に物語の世界を愉しませてくれるものが多く、個人的にはちょっとレトロな小説が気に入っている。FUTONとか、女中譚は、特に好きな作品です。最近では夢見る帝国図書館でも、物語の世界堪能させてもらいました。中島さんは小説の守備範囲が広いという印象があるのですが、そんな中島さんのプライベートはいかに?ということで、興味津々で読み始めました。

 

本作は以前住んでいたという東京の文京区小日向での日々を綴ったものです。前半はコロナ前なので、とにかくたくさんの地を旅行なさっていることが窺えます。とてもアクティブな方だったのですね。後半はコロナ禍に入ってからの生活で、これまであちこち行っていた生活から一変。インドアな生活ぶりが綴られる。

 

 

 

 

食生活や50代ならではの老いや体のことなど、同年代には「そうそう」と、誰もが経験する共感度の高い話に、クスクス笑いながら読みふける。

 

意外だったのが30代の半ばから付き合っている方との結婚。6年前から一緒に暮らしているとかですが、そこには「夫婦別姓」の問題があるようなんです。今の名前でフリーランスをずっとされてきた中島さん。若い時だったらおそらく迷うことなく夫の名を名乗っていたかもってことですが、確かにこれだけの売れっ子作家になった今、そうそう簡単に変えるのは、やはり色々手数もかかり躊躇するのも解ります。

 

....なんてちょっと一歩踏み込んだ中島さんのプライベートも覗けた一冊。本書は「ゆうゆう」という雑誌に掲載されてきたものとのこと。初めて知った雑誌だけど、結構面白そうですね。☟中島さんのお名前も載っているので、連載も続いているのかな?って思います。今度は現在のお住まいの場所でのタイトル変更で続編を(笑)

 

・中島京子プロフィール

1964(昭和39)年東京都生れ。東京女子大学文理学部史学科卒。出版社勤務を経て渡米。帰国後の2003(平成15)年『FUTON』で小説家デビュー。2010年『小さいおうち』で直木賞、2014年『妻が椎茸だったころ』で泉鏡花文学賞、2015年『かたづの!』で河合隼雄物語賞、歴史時代作家クラブ作品賞、柴田錬三郎賞、同年『長いお別れ』で中央公論文芸賞、2016年日本医療小説大賞を受賞した。他に『平成大家族』『パスティス』『眺望絶佳』『ゴースト』『樽とタタン』『夢見る帝国図書館』『キッドの運命』等著書多数。(新潮社・著者プロフィールより)

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