黒い結婚 白い結婚のレビューです。
◆黒、白、どっちから読みますか?
結婚にまつわる短編集。
黒い結婚篇━━中島京子、窪美澄、木原音瀬、深沢潮
白い結婚篇━━成田名璃子、瀧羽麻子、森美樹
7名の作家陣を拝見した時、「女による女のためのR-18文学賞」
を受賞した方が何名かいらしたので、これはと思い手に取った
次第です。
さて、本書は表紙が2つに分かれている。
黒から読むか、白から読むか。
このあたり読み手の結婚観が出るのかも?なんて考えながら、
わたしは迷わず黒から読みました(笑)
印象的だったのは深沢潮さんの「かっぱーん」。
どうしてそんなインチキっぽいことに簡単に騙されてしまうの?
誰が聞いてもおかしな話なのに・・・ってこと、
世の中にははびこっている。
「かっぱーん」はそんないわば詐欺話に乗って結婚してしまった
女性の一部始終が描かれている。
「あぁ・・・こうやって徐々に徐々にはまっていくのか。」という
まことに危うい人間関係にハラハラしつつも面白いものがあった。
黒い結婚はタイトル通り、W不倫や男の妊娠など、
やはり読むには少々覚悟が必要な話が多い。
というわけで、後回しになっていた白い結婚は、
思った以上にスルスル読めてしまったせいか、
あまり印象に残っていなかったりする(笑)
読んでいるときは結構夢中になっていた気がするのですが・・・。
結婚は黒なのか、白なのか?
私的にはどんな結婚にも黒白が入リ混じり
両面合わさっていて、グレーになっているんじゃないかと・・・・。
そんな取り留めもないことを考えながら本を閉じた。