春の訪れをいち早く感じられる恒例行事と言えば「ひなまつり」。今も昔も女の子にとって、自分だけのお雛さまに年に一度会える大切な日。今回の特集は、ひな人形にまつわるお話を集めてみました。ぼんぼりが灯る時期に、是非、ご覧になってみてください。きっとお雛さまへの愛おしさが深まりますよ。
三月ひなのつき:石井桃子
石井桃子さんの絵本なんだね。
そうなの。自分のひな人形が欲しくて欲しくてっていう女の子と、はやく良いおひなさまを娘に見つけてあげたいと思っている母親、どちらの思いもキュンキュンくるものがあるの。思わずもらい泣きしちゃったわ。
悲しいお話なの?
そうじゃないのよ。自分だけの愛おしいおひなさまに出合えるまでの時間もすごくいいのよ。素敵な親子だったなぁ。
人形の旅立ち:長谷川摂子
これはね、神社の荒神さんと呼ばれる巨木の根方に捨てられていた古い雛人形たちのお話なのよ。一体、なんでこんなところに雛人形ってね。ちょっと不思議なお話なのよ。
へぇ、不思議なお話かぁ。おとなも楽しめそうな本みたいだね。
りかさん:梨木果歩
これもね、ひな人形を欲しがっていた子がおばあさんにおねだりするんだけどね、おばあさんが贈ってくれたのはお雛さまではなく市松人形だったの。
えー、なんで?全然違うじゃないの。
でもね、この市松人形のお世話をまかされた子は、だんだんこの人形との生活が楽しくなっていくんだけどね。この話も、不思議なことがたくさん起こるのよ。
お雛さまって不思議な力があるのかな~。うちのお雛さまはどうなんだろ~~。
番外編:古本市で買ったちょっと古いおひなさまの本
にぎやかだね、「まさなひお?」ってタイトル、変じゃない?
あはは、昔は右から読んでいたからね。右から読んでみて。「おひなさま」でしょ。この本はね、古本市で買ったのよ。箱のなかに小さな本が入っているんだけど、装丁画もレトロで可愛いでしょ。文字は全部カタカナで、ちょっと読みにくいんだけどね(笑)でも、お話は面白いの。ここに出て来る少女もやはりお雛さまが欲しくて仕方がなかったのだけど、おうちが貧乏で買ってもらえなかったのよ。
みんななかなか自分のお雛さまに会えないんだねぇ。これはいつの本なの?
んとね、大正時代に作られたものの、復刻版みたいなんだけど、復刻版自体も古そうね。
ふぅ、お雛さまのはなしを聞いていたら、お腹がすいちゃった。ひなまつりはごちそうが食べられるから嬉しいな!
えー、りすさん、いっつも最後は食べもののはなしだよね(笑)じゃ、うちも雛人形飾ってから、ちらしずしを作りますか!お手伝い、よろしくね。あれ?りすさーん?もういない....じゃん。