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*** 新しい本との出合いがきっとある★書評ブログ ****

【レビュー】有吉佐和子の本棚:有吉佐和子

 

 

有吉佐和子の本棚:有吉佐和子著のレビューです。

☞読書ポイント 

たくさんの作品を残した有吉佐和子さん。国民的作家になるまで彼女はどんな本を読み、影響を受けてきたのか?気になる有吉さんの本棚を覗いてみよう。写真で見るこれまでの作品を眺めるのも楽しい一冊。

 

感想:有吉佐和子さんが残した作品とその仕事

有吉佐和子の本棚

有吉佐和子の本棚

 

 

有吉佐和子さんの本は毎年何かしら読めていると思う。嬉しいことに、知らなかった作品が文庫化され次々に出て来るものだから、お亡くなりになった方とは言え、何故かリアルタイムで読んでいるような気分でいさせてもらっている。

 

当然内容は昭和の話で、ちょっと前の日本だったりするのだけれども、今読んでもちっとも古めかしい感じはしない。なによりスルスル読めてしまう展開の面白さが魅力で、何度寝不足になったことやら...。

 

そんな素敵な作品をたくさん残してくださった有吉佐和子さん。国民的作家でい続けた人はどんな本に影響を受けているのか、気になっていたところに「有吉佐和子の本棚」が目の前に現れる。出版社さんにスッと本を差し出された気分です。

 

本書は原稿や手紙、これまでに書かれた作品や随筆、日記、脚本など、有吉さんの仕事が詰まった1冊。ずらりと並ぶ作品の数々。写真にもかかわらず、いまだ息づいているような艶めかしさがそこにある。

 

また、作品の幅広さににも驚かされる。郷土の和歌山を舞台に描いた作品、芸道を描いた作品、社会問題、女性と仕事、人間関係、ミステリー、歴史・時代小説等々、様々なテーマを書きつらねている。装丁画や、海外の翻訳作品なんかも必見です。

 

他にも舞台演出をされていたり、まさにスーパーウーマン。一方家庭では、お母様と娘さんとの3人暮らし。本が好きな家族の話はなによりも楽しい。

 

 

 

幼少期はお父様の仕事で海外生活をされていた有吉さん。病弱で本を読む機会が多かったとのことだけど、かなり早い段階でたくさんの名作に触れていた。岡本かの子が好きだったという話も興味深い。

 

早くに亡くなってしまったのは本当に残念な限りです。有吉さんが亡くなってからも変わり続ける日本社会。特にコロナ禍にある日本を、もし有吉さんが生きていたらどう見るか。働く女性たちや育児の問題を有吉さんならどんな風に小説として描くのだろうか。...なんてことを考えると、なにか無性に有吉さんの「今の文章」を読んでみたくなる。でもその願いは叶わない。仕方がないので、今後も出版され続ける作品は、漏れなく読んでいくつもりです。

 

りすさんからのnext本

外国生活が長かった有吉さん。海外を扱った小説も面白いのよ。その国の当時の様子なんかも知れて、とても勉強になるの。こちらは有吉さんが29歳の時にニューヨークの女子大に留学していた時の体験をもとに生まれた小説なのよ。ニューヨークからプエルトリコへ。いろんな出来事が待っているの。お楽しみに。

 

www.readingkbird.com

こちらは発売されたばかりの同じく旅の本ね。面白そう!