はじめましての郷土玩具:甲斐みのり著のレビューです。
自分の住んでいるところの郷土玩具、知っていますか?
どこかで見たことがあるなって置き物たち。
素朴でちょっと不格好、だけれどもクスリと笑ってしまう可愛さも持ち合わせ・・・。
「郷土玩具」っていうジャンルがあることを知らなかった私は、単純にこれらは観光地のお土産屋さんで売っている置き物だと思っていました。しかし、これがなかなか意味のあるものであったり、結構な歴史を背負っていたりすることを知り驚いた。
わかりやすいところで例を挙げると、福島県会津若松市の「赤べこ」。
みなさんもご存じの、頭にチョンと触れるとゆらゆら首が動く赤い牛ちゃん。
家にもかつてゆらゆらさせた牛がいました。たぶん、お土産でしょう。
この牛は「圓蔵寺」建立の際、難工事を助けたといわれる赤牛伝説にちなんだ張子の牛。全身赤く塗られた「赤もの」と 呼ばれる厄除け人形の一種で、子どもの守り神としても慕われる。
という由来があるそうです。
本書はこのような全国の郷土玩具が大集合!その数約320点。
張子、土人形、木地玩具などカラフルな人形たちが続々と紹介されてゆきます。
ほとんどがチマチマした可愛らしい動物たち。しかし中には「友引人形」と言って、友の代わりに棺に入れた・・・なんて人形もいる。
一見微笑ましい人形たちなのですが、意味を知ると怖い。けれどもよく考えられたものだと、昔の風習が見えてくる。
そして、甲斐 みのりさんと言えば、お菓子!ありました!「郷土玩具ゆかりのお菓子」というコーナー。日本全国、いろんなお菓子がありますが、ここに載っているお菓子は、食べるというより見て愉しむって感じのものが多いかな。
キレイなものから、ちょっと不気味なものまで!正直食べたいと思ったのはゼロに近い(笑)お菓子に心は揺さぶられなかったが、個人的には「春日大社」の「鹿みくじ」が欲しい。木彫りの鹿がおみくじをくわえているんですよ。こんな可愛い鹿から「凶」を引いてしまったら相当ショックですが……。
みなさんは、自分の住んでいる所の郷土玩具、ご存知ですか?
ちなみに私の出身・東京で紹介されていたのは、
・ざるかぶり犬(台東区)
・今戸焼土人形(台東区)
・飛んだり跳ねたり(台東区)←浅草仲見世で人気のからくり玩具
・達磨抱き猫(西多摩郡)←深大寺達磨市でおなじみの顔
・すすきみみずく(豊島区)←鬼子母神土産。うつくしい逸話あり。
・火防凧(北区)
知らないものばかりで、愕然とした次第であります。