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うずまきぐ~るぐる 

*** 新しい本との出合いがきっとある★書評ブログ ****

【レビュー】地元パン手帖:甲斐みのり

 

 

 地元パン手帖:甲斐みのり著のレビューです。

地元パン手帖

地元パン手帖

  • 作者:甲斐 みのり
  • 発売日: 2016/02/05
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

 

手に届きそうで届かないパンたちに遠距離片思い中!

 

パン好きな人にとっては、最初のページから最後のページまで、ずーっと楽しくてたまんない!というワクワク本だと思います。

 

街を歩けばパン屋さんがいっぱいある。
何軒あってもちっとも邪魔にならない存在なのは定番商品はもちろん、季節ごとに出る新商品など、毎度新鮮なパンに出合えるからだろう。そのバリーエーションの多さには本当に驚かされる。

 

さて、この本ではどんなパンが紹介されているかと言うと、学生カバンの中とか、職場のデスクの上にあると、ちょっと嬉しくなってしまう、そんなささやかな幸せを運んでくれる雰囲気のパンたちなのだ。

 

決してフランスを意識したようなオシャレパンではないところがポイント!
メディアではどちらかというとオシャレパンの紹介が多い中、「よくぞやってくれました!」と小さくガッツポーズをしたくなるほど、ここで紹介されているパンはとっても身近でどこか懐かしいものばかり。

 

甲斐みのりさんと言えば、郷土菓子、郷土玩具など、趣味のよいお菓子等の紹介本を出されていますが、今回はパンという新たなジャンルへ!表紙にびっしりと隙間なく並ぶパンの群に舞い上がる。

 

全国各地から集められたパンは旅そのもの。地域に偏りなく集められたパンというだけあって、食べたくたってそう簡単には手に入らないというもどかしさに思わずため息が

出てしまうのですが、そういう想いを募らせながら読むのもまた楽しい。

 

ここではあんパン、クリームパン、メロンパン、チョコレートパン、食パン系コッペパン系、学校系、不思議な名前のパン、動物パン等々が紹介。

 

食べたことがないけれども「懐かしい」と感じるものが多いのは、包装紙のレトロ感から来るものなのか?袋に描かれている絵もロゴも平成の時代には似つかわしくなく、まるでそこだけ時間が止まっているかのよう。どうかどうか、ずっとそのままでいてください。

 

「チョコブリッコ」なる名前の面白いものも登場!
「ぶりっこ」という言葉が80年代に流行した時に誕生したパンだそう。
イラストの女の子は松田聖子さんをイメージしているとか?
ちなみのこのパンは北海道の日糧製パンのもので、ホイップクリームをサンドしたココアケーキをチョコでコーティングという、恐ろしく甘そうな菓子パン!

 

カステラパン、ようかんパン、シベリア、菓子パンいろいろ、堅パン等々・・・。

や、それパンじゃなくてお菓子でしょ?って何度も突っ込みたくなったパンたち。ようかんはさむとか、その発想がすごい。

 

 

 

頭脳パン、ホワイトサンド、牛乳パン、バラパン等々・・・・。

この章は、なんといっても包装紙の可愛さが際立つ。包装紙目当てで買い求めたくなる。(悪い癖)「牛乳パン」の袋はどこも一律に可愛い子どもたちのイラストだし、
「バラパン」はバラのイラストが飛びつきたくなるほどガーリー!

 

以上、大まかなくくりは3章ですが、合間に「パンの旅」というコラムがあり、パンだけではなく、お店の雰囲気などが感じ取れるよう、看板や包装紙等、細かい部分まで紹介されている。

 

後半では「パンの友達」ということで、牛乳、コーヒー牛乳などの紹介もあり心憎い演出もなされています。

 

とにかく、とにかくですね、取り上げられているパンの多さに溺れてみることです。
ホント、ものすごい種類なんだから。そして、すぐに食べられないもどかしさに悶絶するがよい(笑)