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うずまきぐ~るぐる 

*** 新しい本との出合いがきっとある★書評ブログ ****

【中江有里のブックレビューで紹介された本】テーマ:書く

 

 

2023年12月4日放送分。ひるまえほっと・中江有里のブックレビューをまとめたものを掲載しています。

 

NHKの「ひるまえほっと」内で、女優・作家である中江有里さんが紹介した本を掲載。番組内で話されていた内容を、ざっくりですが文字に起こしお伝えします。

番組コーナー紹介文

月に一度のブックレビューです。案内人は女優で作家の中江有里さん。年間300冊の本を読む中江さんが、幅広いジャンルからご紹介。あなたも夢中になれる1冊に出会えますよ!

2023年12月4日放送のテーマは、書くです。 

さみしい夜にはペンを持て:古賀史健

内容

「うみのなか中学校」に通うタコジローは、学校に居場所がなく、自分のことが大嫌い。ある日、不思議なヤドカリおじさんと出会った。タコジローは、日記を書くことをすすめられ、その日からどんどん変わっていく。

 

・作者は13歳くらいをターゲットに書いている。内容も可愛らしく海の中を書いている。主人公はタコで、ちょっとファンタジー色が強いかなと思う。しかし、なかなか深い話。いろいろな海中生物なので見た目の違いがわかる。人間も以上に分かりやすい。

・また、タコジローの成長物語というのが核になっているけど、上手く自分のことが言えない、周りとも関係性が築けない、学校で居場所がないタコジローがヤドカリのおじさんと出会って書くということを覚える。そこから自分のことを知っていく。哲学的でもある。

 

yuri´s point 

「書く」ことは、自分という最大の謎を読み解く作業。

 

 

 

 

存在を抱く:村田喜代子・木下晋

内容

作家と画家、芸術家年の迫力ある対談。人と話すことで自分を解き明かしていく。

 

・文章を書くこと、絵を描くこと、どちらも自分を深く掘っていくような作業ですが、二人の対談はさらに相手の深い部分を探って行きます。

・夫婦関係、創作すること、戦争体験と、多岐に渡り人と話すことで自分を解き明かしていく。芸術家同士の対談は、ことばの合作とも言えるかもしれません。

 

 

 

 

逃げ道:ナオミ・イシグロ

内容

イギリス新進気鋭作家デビュー短編集。息苦しい日常から解放されていく姿を描く。

 

・作者はノーベル文学賞作家・カズオ・イシグロの娘。

・収録された作品のほとんどは、男性あるいは男の子が主人公です。多くは男らしさから解き放たれて、一人の人間として生きようとする姿が描かれている。

・冒頭の魔法使いたちは、魔法使いにあこがれる空想好きな少年が、魔法使いのようないで立ちの占い師と出会い、ふたりの視点で語られる物語は思いがけない出来事へと繋がっていきます。

・息苦しい日常にふと現れる非常口のような逃げ口。本を読むことの逃げ道だと思いました。

 

 

 

 

フェミニスト紫式部の生活と意見:奥山景布子・中野花野

内容

「フェミニズム」「ルッキズム」など、現代に通じるキーワードを切り口に、源氏物語を読み解いたエッセー。希望ある未来へバトンを繋げる新解釈。

 

・一般的に光源氏を主体にして描かれるんですけど、今回の本は、ここに出て来る女性たちの側から見た社会を読み解いている。

・女性の生きづらさ、現代と繋がったテーマ。

・書くということは、すごく強い人間の欲求だと感じる。

・源氏物語の声なき声。小さな声を、紫式部が拾い集めてそれを反映させた物語。

 

yuri´s point 

「書く」ことは、精神のリレー

 

本日の感想

確かに書くことによって、自分の中でも見えなかった部分が見えてきて、整理ができる部分ってあると思います。日記などがその一つ。わたしもかつては自分の頭の中を整理するために結構書いていました。あとで読むと恥ずかしいことばかりですが、当時は書くことで結構救われたのも事実。書くことによる効能は結構大きいものだと思います。

本日紹介された本で一番読みたいのは、大好きな作家・村田さんの対談です!どんな言葉が出て来るのか、とても楽しみです。今年最後のブックレビュー。来年もまた、中江さんの紹介本を楽しみにしています。それでは、また来年!