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*** 新しい本との出合いがきっとある★書評ブログ ****

【レビュー】そんなふうに生きていたのね まちの植物のせかい:鈴木純

 

 

そんなふうに生きていたのね まちの植物のせかい:鈴木純著のレビューです。

 

☞読書ポイント 

身近な植物たちはどんな種類があって、どんな風に生きているのか。どこを観察すればいいのか?夏休みの植物観察などで、大いに役に立ちそうな一冊。大人も子どもも気軽に読める植物の本。さぁ、植物たちと話そう!?

 

まさに「そんなふうに生きていたのね」と、思わずつぶやいた

 

Twitterで知った一冊。なにが目を引いたかって、この優しく語り掛けるようなタイトル、あんまりないですよねぇ。思わずクスクスと笑ってしまった。たぶん中身も同じように植物たちに語り掛けているに違いない!....という期待も裏切らず、植物愛に満ちた一冊でした。

 

いつでも見られるそこらへんにいる植物たち。一体どのくらいの種類があるのだろうか?子供の時は歩きながらいろんな植物たちと触れ合った。ちぎったり、匂いをかいだり、時に蜜を吸ったりしたものだけど、大人になってからはめっきりそんな機会もなくなり、じっくり道端の植物を見るなんてことはしていない。

 

名前が不明なものは「あそこに咲いている白い花」と適当に呼び、「今年も咲いているな」程度の話はするものの、あえて花の名を調べたりもしなくなった。そんな自分にとってこの本は結構な衝撃というか、読んでいる間は、なにか異次元に迷い込んだ気分に。

 

というのも、地味だと思っていた植物を写真で拡大してみると、本当にすごい構造?であったり、機能を持っていることに気づく。拡大の拡大みたいな写真を見ているうちに、自分は一体何を見ているんだろう?なんて現象も。

 

そして植物の生命力について。どんなことがあっても毎年同じペースで咲いたり枯れたりする植物たちの生命の強さに励まされもし、癒されもして来たわけだが、本書でその生命力の秘密みたいなものをしっかり知ることが出来た。どんな植物もほんとうに生きるのに必死だし、生きるために工夫がされている。「ほほーーーそうだったの」と思うと同時に「そんな風に生きていたのね」と、自然に本のタイトルをつぶやいてしまう(笑)

 

 

 

植物の形をはじめ、受粉方法など驚きの連続だったわけだが、とりわけ印象的だったのは、夜に咲く「カラスウリ」。闇夜に浮かぶその姿は、白いレースを身にまとい、ひたすらスズメガ(同じく夜に活動する)を待ち続けるという。この蛾はカラスウリの蜜を吸いにくるのだが、その代わりに花粉を運んでくれるそうだ。この一連の流れを読んでいて、小説になりそうじゃない?」なんて思っちゃいました。そして頭の中は藤圭子の「圭子の夢は夜ひらく」がエンドレスで流れ出した(笑)というか、植物の本でこんな展開になるとは!

 

夜に咲く花たちは妙に神秘的。なかなか見られる機会はないと思うけど、自分たちのすぐ近くで、こんな風に暮らしている植物たちがいるなんてね。「きれいねぇ~」というより、「神秘的」な印象が強い植物たちも見どころが多い。

 

本書はたくさんの植物たちの写真に吹き出しがあって、まるですぐ近くでいろいろ話しながら植物と触れ合っている感じがしました。ということで、すぐ近くにいる植物たちが気になりはじめる本でした。

 

それにしても観察ってすごいですね。ひとつのものをしっかり見ると本当にいろいろな気づきがある。久しぶりになにかじっくりと観察したくなりました。

 

【つなぐ本】本は本をつれて来る

 

*こちらも街を歩けばいつでも見られる植物たち

置く、吊る、並べる、這わせる....個性的な植物たち。どの街でも必ず目にする興味深い園芸。「ここまでくると芸術だ!」って思わされる植物たちに魅了されます。


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