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うずまきぐ~るぐる 

読書書評ブログへようこそ!読んだ本についてのあれこれを思いのままにぐるぐるかきます。

共謀小説家:蛭田亜紗子【レビュー】

 

 共謀小説家:蛭田亜紗子著のレビューです。

 

彼女の選んだ「共謀」とは?

 

「女による女のためのR‐18文学賞」を受賞されている蛭田さん。この文学賞を受賞する作家さんと自分は相性が良く、その後お付き合いが長くなること多い。なので受賞作家さんの作品は必ず一度は読んでおきたい!と思っているんですが、蛭田さんの作品はノーチェック、今回が初読みになります。

 

本作は、明治から大正時代の文豪たちの私生活を含めた執筆活動等の話が好きな人におススメです。

 

物語は主人公の冬子が作家・尾形柳後雄(ゆうごう)に憧れ愛知から上京し、柳後雄の家の女中になるところから始まる。冬子の本当の望みは彼の弟子になることであったが、女性である冬子にはそれが叶わず、同じ家に住む男性の弟子たちを羨ましく思いながら働いている。しかし、たくさんの書物に触れられる環境にあった冬子は、その夢をひそかに温め、希望の灯りを消すことはなかった。

 

冬子の運命は徐々に動きを始める。柳後雄は執筆中に冬子を自室に呼び込み、無理矢理性的な要求をするようになり、やがて体の関係をも迫る。そんな柳後雄に冬子はある条件をつける。

 

二人の関係を影から見ている師を慕う弟子の春明。すべてを知りながらも彼は「共謀」という名のもと、冬子に結婚を提案する。春明の思惑不明のまま冬子はそれを承諾する。この時冬子はすでに身籠っていた。

 

結婚後、夫の悪態にもめげず、春明の執筆活動をも支える冬子。結婚生活は「共謀」という二文字を背負い、互いに利用し合って生きていく道を突き進むことになる。

 

 

 

....いやだ、こうして書いているとなんだか昼ドラみたいだなぁ(笑)女中に手を出す主人とか、ダメ夫とか....。でも、読んでいるときはそんな昼ドラ感がなかったのはきっと冬子のひたむきさに惹かれ、どうにか「書く」という道が開ければよいなぁと願っていたからかもしれない。

 

波乱万丈、道は険しくどうなるかと目が離せなかったが、収まるべきところに収まるといった感じのラストに安堵。冬子たち夫婦にとっての第二の幕が開いたような光が差し込んだ。

 

これまで読んだ文豪たちの話がいろいろミックスされた内容だったように思えた。おそらく筆者の蛭田さんも、当時の様々な文豪の姿と、才能があってもなかなか道が開けなかった女性たちの話をしっかり物語にしたかったのだろう。そんな気持ちがひしひしと感じられました。

 

寂聴さんや最近では村山由佳さんなどが描いた昔の女性たちの作品と比べると、その重厚感や迫力などやや物足りなさは感じるが、それでも読み物としてはとても面白く一気に読んでしまいました。

 

ということで、他の作品も近々読んでみたいなぁーと思います。すでに出版されている作品も多く、内容のふり幅も広そう。迷うなぁ~。