また旅。:岡本仁著のレビューです。
読んだらフラっと出かけたくなる、また旅。
岡本仁さん、はじめて読みました。なんとなく旅本の検索していて見つけた一冊。タイトルといい、表紙の写真といい、本から醸し出す雰囲気がとても良くて、迷わず借りることにしました。
読み終わって感じたことは、とても自然であるということ。最近は「映え」目的で、やたら写真映えする場所を中心に取り上げている本が多いけど、この本はそんなことは全くなく、日常の延長上に旅があるって感じなんです。まるでちょっと近所に食事に行くような軽い感じで岡本さんは移動している。
とは言え、旅行は旅行。全国各地に足を延ばしている。掲載されている場所は以下の通り。
長崎・大阪・松山・旭川・鎌倉・京都・鳥取・高知・盛岡・日田・新潟
奈良・金沢・札幌・山形・唐津・秋田・神戸・尾道・富山・名古屋・上田・浜松
どこもこここも行きたいところばかり。というか、改めて「旅」に飢えている自分を感じます。
岡本さんの旅は基本的に一人で出かけていますが、旅先に知人が居ると言うパターンが多い。だから地元情報に強い。というか、どこへ行って友だちがいるってある意味すごい。と、ここで岡本さんは何者なのか気になり調べたところ、
編集者 岡本 仁 北海道生まれ。 マガジンハウスで『ブルータス』『リラックス』『クウネル』などの雑誌編集に携わった後、ランドスケーププロダクツに入社。 同社の「カタチのないもの担当」として、コンセプトメイクやブランディングなどを担当している。━Wikipedia
おぉ!そういうことか!と納得。お洒落系雑誌の編集者ですものねぇ。どうりでお買い物に一つするのにもすごく拘りを感じましたし、陶器やアートも詳しいし。なんていうか、確かなものを求めている姿が印象的でもありました。
また、岡本さんがその旅で食べたものも掲載。インスタみたく小さい正方形の画像が掲載されている。お店の風景とかじゃなく、岡本さんが食べたものが載っているんですが、これも過剰じゃなくいい感じです。訪れる店も地元に溶け込んでいる普通感。こういう普通っぽいほうが実際行ったときのギャップもなさそうだし、役に立つ。
もちろん気に入った食べ物に関しては、本文にじっくりエッセイと一緒に載っています。私はとにかく鎌倉の「オクシロモンコマチ」のカレーが食べたい!!!カレーとお皿のバランスも最高だと言うのが写真からも分かります。また、高知の用水路の上に出る露店の市にも心を奪われています。
ということで、ご紹介のあった場所は再訪を含め全て行きたいです。
本を読みながら感じたのは、つくずく自分は旅に飢えているなぁということ。なかなか遠出が出来なくなった世の中だからこそ、余計にいろんな場所が輝いて見える。そして、いち早く旅行したいと思う場所は海外ではなく、国内であることにも気づいた。そういう身近な良さみたいなものに気づかせてくれる1冊でもありました。