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うずまきぐ~るぐる 

*** 新しい本との出合いがきっとある★書評ブログ ****

【5時に夢中!エンタメ番付】6月場所(2021年)

 

 

 

東京MXTVの5時に夢中!で紹介された本や映画を紹介します。

新潮社の中瀬ゆかりさんが番組内のコーナーで、月に1度、3本ほど紹介しています。

以下は、おおまかなあらすじと、中瀬親方が話していたことを簡潔にまとめたものを掲載しています。

 さて、親方はどんな本を紹介してくれるでしょう。早速見て行きましょう!

 

 

【関脇】漫画 あなたはブンちゃんの恋:宮崎夏次系

 

 ■内容

あなたが好き。狂おしいほど、ただただ、好き。痛くてまぶしい、ブンちゃんの恋。宮崎夏次系が描く、女×女×悪霊の三角関係。
『変身のニュース』『僕は問題ありません』『アダムとイブの楽園追放されたけど…』など、深く心に響く作品を生み出し、漫画読みを中心に熱い支持を受ける漫画家・宮崎夏次系。うまく生きられない人たちの気持ちに寄り添う作品を数多く生み出してきた作者が、本作で初めて長編ラブストーリーを描きます。
片想いのやりきれなさ、好きな人に嫌われる前にいっそ自分から嫌いになりたいと願う混乱した心、好きな人を強く想うあまりにとってしまう奇行……恋に不向きな主人公・ブンちゃんの「苦しさ」と「変さ」がいとおしく、他人事に思えない作品です。不器用きわまるブンちゃんの恋は、そんなブンちゃんのそばにいても何もできない悪霊・シモジの恋は、いったいどこへ向かうのかーー。━━Amazonより

 

(まずはあらすじ紹介から)

 

中瀬さん:

かつて片想いとかして、狂おしいほどただただ好きだって気持ちになったときに、好きな人に嫌われる前になんか自分で変なことをしちゃうっていう、この不器用さが本当に切なくて。ブンちゃんがものすごくいいキャラクターなんですよ。三人が三者三様にどこに向かっていくのかっていう恋愛。今、二巻まであるんですけど、先が待ち遠しい。恋愛の苦しさを思い出すそんな作品です。

 

 

【大関】躁鬱大学ー気分の波で悩んでいるのは、あなただけではありません:坂口恭平

 

 ■内容

 誰にも言えない悩みだと思っていたのに、そうじゃなかった?! 31歳で躁鬱病と診断され、気分の浮き沈みの激しさに苦しんでいた僕がみつけた、ラクに愉快に生きる技術。みんな、人からどう見られるかだけを悩んでいる。鬱のどうにもならない落ちこみ、自己否定をどう扱うか。はたまた躁の周囲を疲れさせてしまうほどに過剰なエネルギーをどうするか。自らの経験をもとに、ユーモアあふれる対処法を徹底講義!ーーーAmazonより

 

中瀬さん:

 坂口さんは2003年に躁うつ病と診断された。自分の経験を通して躁鬱との上手な付き合い方ということでnoteで連載されていて、すごい評判になっていました。で、今回書籍化されたんですけど、坂口さんは躁鬱は病気じゃなくて体質だという。坂口さんは躁うつ病の人を「躁鬱人」と呼んでいる。で、躁鬱人の特徴としていろんなことを自分を通して書いている。

 

坂口さんはいのちの電話もやっていて、自分の携帯番号を世界中に教えていて、もう2万人くらいの人の相談にのっているんですけど、そのなかで分かったのは、「みんな悩みは同じ。人からどう見られるかだけを悩んでいる」ってことに到達するんですね。

 

躁鬱人でなくても、誰にでも刺さる言葉がいっぱい出てくる。自分の経験をもとに、ユーモアあふれる対処法。最後の一章は坂口さんの半生が駆け足で書いてある。これが猛烈に面白い。これ読むと本当に「人からどう見られるかだけを悩んでいるんだ」ってすっきりしちゃって救われました。私も波はありますけれども、この本は寝室に置いておきたいなっていう本でした。とても面白かったです。

 

 

【横綱】喰うか喰われるか 私の山口組体験:溝口敦

 

■内容

田岡時代から山一抗争、五代目体制発足、山竹戦争、宅見勝若頭暗殺、六代目クーデター、分裂抗争ーー暴力団取材の第一人者として大物ヤクザたちと対峙してきた著者がはじめて明かす生々しいやりとり。渡辺芳則五代目や宅見勝五代目若頭との息詰まる攻防、一和会大幹部の常人離れの乱行、「女傑」山健秀子夫人、竹中武竹中組組長の侠気、中野太郎中野会会長が語ったこと……ここに山口組の「菱のカーテン」の内幕がすべて描かれる。自らを刺傷され、編集部に暴漢が押し寄せ、息子までが狙われる――三度の襲撃に見舞われながら、日本最大の組織暴力と真っ向立ち向かい続けた著者による、半世紀にわたった戦いの記録。━Amazonより

 

中瀬さん:

溝口敦さんは知る人ぞ知る暴力団取材の第一人者で、50年くらいずっと山口組を取材してきている。溝口さんは今、79歳。その集大成と思われるノンフィクション。本当に感動しました。っていうのは、圧倒的な取材力。しかも、取材相手は反社会的勢力なわけで。時に相手にそこまで言うかみたいなことや、また惚れこんだりと、そんな中で取材していく。

 

「殺菌には日の光に晒すのが一番だ」っていうことで、ここに書いてしまうんですよね。覚悟を据えて、この圧倒的取材力もそうなんですけれども、殺されるかもしれないような。実際、自分も息子さんも刺されているんですね。本当に命を取られる取材をしてきた。この覚悟と熱量、ここまでジャーナリストというのはやるんだって言う、とにかく圧倒されながら読んで、読み終わったあとも「ここまで書いちゃって、ここまでぶっちゃっけちゃって大丈夫?」というくらい生々しいやり取りが全部記録されている。

 

私も闇の社会のことなどやってきましたけど、この大先輩の肝の座り方には一生敵いません.....っていう意味での「横綱」です。テレビで紹介しきれないようなことがたくさん書いてあります。ぜひ、この迫力を味わってください。

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やはや、かなりの横綱感があった本日のエンタメ番付け。中瀬さん、とても白熱されてたから、これはすごい内容なのだろうなぁと感じました。普段あまり聞こえてこない世界の生々しい様子を知ることができそうですね。

それでは、また来月!