着物憑き:加門七海著のレビューです。
タイトルが一番怖い!?かも....
加門七海さんの本だから怖いものだろう。まぁ、怖くても、着物好きだから読まないわけにはいきません。とは言え、この先アンティークな着物など、ひょっとして手にするのが怖くなってしまうかも?なんて複雑な思いもあったりで....。
読む前から頭の中がちょっとだけごちゃついていましたが、読み終わってみると怖いの欠片もなかったかな。いや、ちょっとは怖い話と感じたものもあったけれども、どちらかというと、とーっても勉強になったという感じが強い。なので、思い切り怖い話を期待している人向けというより、むしろ着物好きな方、これから着物を考えている方の方が絶対に楽しめる一冊です。
着物について何も知らずに着た成人式の着物。それはそれでよい思い出だけど、さらに大人になって着物を着たいという人も多いと思う。自分が好んで身につける着物となると、やはり多少の知識は必要となってくる。布、糸、織りもの、そして着物にまつわるマナーや風習。こういった一連の知識は、着物を着ることとセットになって自ら学びたくなるもんじゃないかなーと感じます。
加門さんもまさにそんな感じで、母親譲りの着物好きに転じてゆくのですが、同時にいろんな勉強もされたようで、それらが本書にコンパクトにまとめられていてます。
歴史はもちろん、東西の違いや、文様にいたるまで、テーマに沿って丁寧に綴られている。そこにちょっとした怖い話や不思議な話が織り込まれている。私的には両方味わえ、なんとも贅沢な内容であった。
アンティーク着物などは、人の念が入っていて怖い感じもしますが、次の人が大切にその着物を引き継いで着て行くことは素敵なことだなぁと思います。
ということで、時間がある時にこの本は再読したい!タイトルや帯に書かれている紹介文で一歩引いた方、大丈夫、そんな怖くないと思うよ(笑)