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うずまきぐ~るぐる 

*** 新しい本との出合いがきっとある★書評ブログ ****

【レビュー・感想】おいしいコーヒーのいれ方 Second Season9 ありふれた祈り:村山由佳

 

 

 おいしいコーヒーのいれ方Second Season9ありふれた祈り:村山由佳著のレビューです。

 

終わって!終わらないでと、あぁ複雑。すべての登場人物に深い想いがあるシリーズがついに終わる.....。

 

このシリーズが終わったことは知っていたのだけれども、一体自分はどこまで読んだのか?思い出せず(本自体、本棚の奥へ入ってしまたため発掘も困難)、行方が気になってはいるものの、なかなか手が付けられないでいた。

 

そんな中「本が好き!」のレビューで、途中読んでいなくても分かるようになっているという情報を得て、それならば!と読むことに。本当はちゃんと順を追って読みたかったんだけど、なにせ堪え性がなく、早速最終巻に飛びついたのであります。しかも、これまで集英社の文庫版で読んで来たのに、最終巻だけはJUMPBOOK版の方で(笑)

 

と、いろいろ読むまでにゴチャゴチャしちゃってましたが、それもこれもこのシリーズ、1994年から26年も続いて来たもので、しばらく発刊されなかたりと、完結までかなり長い道のりがありました。

 

終わらないで欲しい、いや、そろそろハッピーエンドなふたりの姿を見せて欲しいなど、複雑な気持ちを抱えながら勝利やかれんを追っていました。

 

そしてようやくやって来た最終回。心構えは十分。でも、しばらく会っていない彼らはどう生きているのか、ちょっぴり知るのが怖かった。

 

 

 

案の定、物語は大きく動いていた。

勝利はある事件により、心に傷を負い、オーストラリアへ。かれんともなんとなく心の行き違いや隔たりを残したまま外国の地で生活している。そして、勝利はオーストラリアでも、大きな事件に巻き込まれ.....。

 

またもや苦しく、辛い状況へ追い込まれてしまったわけだが、ここから二人が、小さな光へ向かって再び歩み始めるという光景が見られる。やっと、やっとだ。読者にとってようやくホッとできた瞬間だったのではないかと思う。

 

サラッとまとめてしまったけれど、ともにこの物語と歩んで来た読者の心中は、こんな簡単なものではなく、この二人のさまざな過去のシーンが頭の中に浮かび、思い出を辿るような読書時間だったはずです。だって、本当に長い時間この小説の中に私たちも居たんですもの。

 

あぁそういえば、わたしはかれんのことがあんまり好きじゃなかったなぁ。.....まだ今より若かった自分の気持ちまでもが思い起こされたりしちゃって。相変わらずかれんのことは好きとは言えないけど、昔ほどイラっとしなくなった自分もまた少し大人になったのかな。と、自分の成長ぶり?も確認(笑)

 

とにもかくにも、完結して良かった。そして、読めて良かった。でも、本当のところ、まだまだ終わった気が全然してないんです。繊細なかれんと勝利はこの先、まだまだ色々あるんだろうな~なんて思ったりもする。でもでも、一応でもなんでも、着地点があって良かった。ずっと辛いまま、宙ぶらりんの二人でいて欲しくなかったもの。

 

ということで、長旅でした。いつか機会があったら、一から一気に読んでみたい気もしますが、今はひとまず「おいコー」とはお別れです。そして、村山由佳さん、本当にお疲れさまでした!!現在の村山さんもお幸せそうでよかった。