新版 中原淳一きもの読本:中原淳一著のレビューです。
中原淳一が教えてくれるきものの世界
中原淳一氏の洋服の世界は可憐で、当時の女性たちの憧れの的であった。現在のレトロなファッションも中原氏に通じるものが多く、ファッション業界に大きく影響を与えた人物と言ってよい。
今回は「きもの読本」ということで、着物の歴史や、着つけ、髪型等々、着物に関する知識がしっかり付くという、まさに着物の教科書。
面白かったのは着つけ。
着つけの違いにより雰囲気ががらりと変わる様子をイラストで説明。あまり違いのないデザインの着物でも、着つけによって「はたちごろのお嬢さん」「三十代の奥さま風」「粋筋の女性」と、はっきり違いが出るのです。半衿の出し方や、髪型など、アレンジのバリエーションがものすごくあるといことが解ります。
髪の結い方もかなり丁寧に図解されています。若いお嬢さんたちに是非お勧めしたい髪型がたくさん載っています。
個人的には「きものの柄」のコーナーが大変役に立ちました。
和柄ってものすごく種類がありますよね。縞模様だけでもかなりの種類があります。「こもちじま」「たきじま」「一本どっこ」「らんたつ」等々、まったくもって奥が深い。いつも「小さい花が・・・」とか、「波のようよな・・・」など、かなり大雑把な柄の説明をしちゃうのですが、これが分かると「ちょっと格好いい言い方出来そう!」と、前のめりで眺めてしまいました。
時代が変わっても色褪せることのない着物。本書を読むと日本人の体型にいかに着物が合っているか、そして、何年経っても型が変わることなく長く着られる着物の良さ、美しさなどをあらためて知るのでした。
一枚のきもので十代から五十代、いやもっとそのさきまで、一生を通して着ることができるとしたら、こんなにも自由に着られるものだというきもののよさがもうひとつ発見できないだろうか。
中原氏のこの言葉をいま一度、こころに問いかけ読了です。
コロナ・ブックスさんからは、この本の他にも中原淳一の本がたくさん出ていますので、ご興味のあるかたは是非。わたしは病みつきになり、結構読み漁っております。何といっても心がふっくらするような乙女な時間が過ごせるのが嬉しいです。
わたしの読んだのは新版です。こちらも↙イラスト画が素敵です。