ふしぎ駄菓子屋 銭天堂2 :廣嶋玲子著のレビューです。
わたしの顔に見覚えのある方、おひさしぶりでございます。
いらっしゃいませ。幸運のお客さま。
なにがおのぞみでござんしょう?
お客さまのおのぞみをおっしゃってくださんせ。
この顔に見覚えがある方、以前、書評を読んでくださった方かもしれませんね。
その節はありがとうございました。おひさしぶりです。
ふしぎ駄菓子屋・銭天堂の女主人・紅子が戻ってまいりました!
忘れてしまった方、おはつの方、紅子がどんな人かと言うと…
古銭の柄の入った濃い赤紫色の着物を着て、どっしり太り、
まるですもうとりのような迫力がある。
真っ白な髪を結いあげ、赤い口紅、たくさんのかんざし、顔はしわひとつない
今回、立ち姿の紅子さんの挿絵があったのですが、本当に大きいです!
雰囲気的にはマツコさんっぽくて、もし、もし、映画化されるなら絶対マツコさんでお願いしたい(笑)
さて、今回も楽しかった~。駄菓子のラインナップは・・・
怪盗ロールパン・ドクターラムネキット・お稲荷せんべい
ミュージックスナック・しっぺがえしメンコ・おもてなしティー
これらの売っている駄菓子が各章のタイトル。
目次のねこちゃんたちもめちゃくちゃキュートです!
紅子さんの売る駄菓子は基本的には願いを叶えてくれるけど、欲を出しすぎたり、努力をしなくなった者は、一気に奈落の底へ…という結末があるので、読者も気が抜けません。
今回、私が一番ワクワクしてすっきりした話は前回「カリスマボンボン」を買った、小ズルイカリスマ美容師が再び登場する「しっぺ返しメンコ」。
「また出たか。この男め!」と、こちらも戦闘態勢!
前回、痛い目にあった北島は紅子を恨み、探偵会社に紅子の行方を捜してくれと依頼するのだが、またまた痛い目にあう。さっすが紅子さん、涼しい顔をしてきっちりやっつけている。
やぁー楽しいです。こういう展開!
前巻で決着済みと思っていた話が再び登場するあたり、本当に愉しませてくれるなぁーと。
相変わらず謎が多い紅子さんだけど、ピアノがものすごく上手とか、ちょろちょろと意外な一面が見え隠れする。
こうやって回を重ねるごとに徐々に紅子さんのことが判ってくるのか?
もっと知りたい紅子さんのことが。
この気持ちは回を追うごとに強まって来ました。
紅子さん、新作の駄菓子の企画書を最後に読んでいたから、きっと次もあるはず!
と、ニンマリして読み終わりました。
そして・・・
─────幸運は、気をつけなければ、すぐに不運に変わる。 ─────
このシリーズは常にこのことを頭に入れておかないといけないの。
紅子さんは「飴と鞭」をしっかり使い分けてくるからね。