文豪お墓まいり記:山崎 ナオコーラ著のレビューです。
現代作家と昔の作家がお墓でご対面!
ちょうどこの本を読んでいる時「5時に夢中!」のゲストで出演していたナオコーラさん。初めて生で拝見しました。しかし、なぜに5時夢に?(笑)生ナオコーラさんは想像とは違い、とても奥ゆかしいというか、控えめなお行儀の良い方だなぁという印象。しかし、文学に関する話題はキリリと切れのあるトーク。クールさを兼ね備え独特な雰囲気のある方です。
なんでも若い時にコーラ好きが高じてこの名前になったとか。今はめちゃくちゃ後悔しているそうです。そんなナオコーラさんの文豪お墓まいりを綴ったエッセイ。錚々たる文豪たちのお墓を巡ると同時に、その文豪の作品に対する考察を交えながらまとめたもので、さっくり1話が読める内容です。
ちゃんとお供えもののお花を買ってお墓参りする、その作家への敬意をしっかり持っていくあたりも好感が持てます。一番楽しかったのは仲良しの西加奈子さんと行く内田百閒の墓参り。もうね、ナオコーラ、西加奈子、百閒、この名前が集まっただけでもワクワクしちゃいますわ。
その他、お供はお母様であったり、ご主人であったり。そして、ナオコーラさんのお腹には赤ちゃんもいる。きっと、文章が上手な子が生まれてくることでしょう(笑)
あと、お墓参りする前後の時間は食事やお茶が組み込まれている。サクッとそのあたりの地元情報も楽しい。
なかでも幸田文の墓参り時に立ち寄りたかったものすごい美味しいというとんかつ屋。池上本願寺の近くにあるらしいのですが、お休みだったとのこと。そこでナオコーラさんは幸田露伴の墓参りという名目で再訪する。露伴の小説は一冊も読んでいないけど・・・というオチありで(笑)
ということで、墓参りというか、お散歩感覚な一冊。現代作家と昔の作家がご対面!面白い企画?でした。
注目の谷崎の墓はどうかな?と思っていましたが、しっかり京都まで会いに行ってらっしゃいました。良かったな、おっちゃん!