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【レビュー】処女連祷:有吉佐和子

 処女連祷:有吉佐和子著のレビューです。

処女連祷 (集英社文庫)

処女連祷 (集英社文庫)

 

 

良家のお嬢さまたちの関心ごと、結婚!

 

有吉佐和子さんの初期の作品。

団地の妻たちを描いた「夕陽ヵ丘三号館」もそうだったが、良くも悪くも女性たちが集まると起こるねっとりとした世界を描いたら有吉さんの右に出る者はいないのではないかと思えるほど、実にうまい。

 

特に今回感じたのは、話の展開の面白さ。後半のある事件をきっかけに俄然面白くなり、ごろごろしながら読んでいたわけだが、これはおちおちしていられないと、体勢を整えラストへ向かいました。

 

 

 

内容は良家の子女が集まるR女子大の英文科に通う7人の女性たちの話。

卒業後の彼女たちの生活を描いたもので、就職して働く者と結婚した者。または既にフィアンセのいる者立場は変わっても、なにかと集う彼女たち。

 

お年頃の年齢に差し掛かかった彼女たちの関心ごとは「結婚」。
当時、適齢期を迎える女性に対し、同じく適齢期の男性が圧倒的に不足していた時代だけあって、結婚できるか自体大きな問題でもあった。結婚に対する焦りや憧れの中で揺れまどう女性たち。当時の女性たちの苦悩が実に細やかに描かれている。

 

7人の中で注目すべき人物は何と言っても祐子。
彼女は学生時代から素敵な恋人がいて、仲間が集まるといわゆる「のろけ」を披露してまわっていた。ラブレターを見せたり、恋人自慢話を繰り返す。卒業してもそんな彼女は電話や手紙で恋人とのことを仲間に知らせている。

 

彼女の言動は読者の私たちからみても、最初から違和感があるわけだが、こんなちょっと迷惑な人、女子が集まれば一人や二人、必ずいるいる(笑)

 

しかーし、この違和感が後半一気に花開く!読者も一緒に騙されちゃうわけですよ。まぁ、読んでいる私は直接被害を受けたわけではないのですが、祐子の虚言や、結婚に焦っている友人たちにしたことは、なんとも許しがたいことなのだ。ムカムカが止まらないシーンを目の当たりし、「どうなるの、このあと?」と、ミステリー感覚で読み進めます。それにしても祐子さん、結構、巧妙な嘘の連発ですな。

 

さて、騙された女たち、黙っては居られません。
お互い話し合ううちに次々に祐子の嘘が発覚してゆき・・・。

さぁー行け!となるのですが、そこは有吉さん。ラストは読者の興奮を静めてくれるような終わり方。さすがだなぁ・・・と。熱くなりすぎた自分、ちょっと反省って気分です。

 

この作品、有吉さんが26歳の時に書かれたものだそうです。確かに時代を感じさせられる彼女たちの言葉づかいなど今と違う部分はあるものの、女性たちの根底に流れるものや、心の葛藤などは今の時代に通じる部分もあり、古さを感じない瑞々しい小説でありました。

 

とにかく、祐子の嘘が発覚したあたりから、面白さが倍増です!
みなさまも彼女の嘘に翻弄されてみてください。(笑)