コンビニたそがれ堂:村山早紀著のレビューです。
感想:探しものは何ですか?
昔、失ったのもので、今も探している大事なものってありますか?「欲しいもの」を尋ねられたら山ほど頭の中に浮かぶのに、「失った大事な探しもの」ってなると立ち止まる自分が居る。
当時失くして開けることが出来なかった「鍵」とか、すごく大事にしていたピアスの片方とか…。
こういう物質的な「失くしたもの」に関しては、人は経験からある程度探してみて見つからなければ諦めるということを覚える。
でも、どうしても今でも忘れられないものってなると、それはもう「物」の中に詰め込まれたそれぞれの「想い」を探しているんだな…とこの小説を読んで強く感じたのです。…と、少しくどくなりましたが、自分にとってそれが何にあたるのか読書後にすごく考えてしまいました。
夕暮れになるとあらわれる不思議なコンビニ「たそがれ堂」。銀髪に金の目の店員も店の雰囲気も少し浮世離れしている雰囲気。お客さんは子供であっても猫であっても、店員さんはしっかり声をかけ対応してくれるのです。
このコンビニは大事な探しものがある人は必ず見つけられるという、
不思議な魔法のお店なのです。このお店に訪れた人・猫の5つ話が綴られています。
これがまたどれもこれも、じんわり胸を熱くしてくれるものばかり。
「どれが良かった?」と聞かれると答えに詰まる…迷う。強いて言うなら、もうすぐこの世を去ることを自分で知っている猫の話は、はじめから「この設定はズルイよ…」と言いたくなるほど。飼い主に対する猫の想いがせつなくて。動物ものに弱い人は最初から涙腺ゆるみっぱなしになると思います。
あと、母娘の「リカちゃん人形」の話は重たい内容だけど心に残る。
見えなくなっても、会えなくなっても、
きっと「どこか」には、みんないるっていうことさ。消えてしまうわけじゃない。誰の魂も、どんな想いもね。
本書で印象に残った心がほぐれる優しい一文です。
「今頃どうしているのだろう?」と、もう会えない人やペットを想い出し、上を見上げて、目がしらから落ちそうなものを食い止めるに必死になった。…と、夜の始まる少し前の電車の中でいろんな感情と戦ったのであります。
あ、泣くとお腹がすきます。読むと「おでんも」食べたくなります(笑)







