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【レビュー】手のひらの京:綿矢りさ

 手のひらの京:綿矢りさ著のレビューです。

手のひらの京

手のひらの京

 

 

女の20代から30代は勝負時!

 

京都、お年頃の姉妹とくればもう読まずにはいられないという私。

やはり「細雪」系なのか?と恐る恐る綿矢りささんの小説初読みです。

 

読後に知った情報によるとやはり

『細雪』を読んで感動して、その影響を受けて書き始めた作品とのことで、「うふふ」と目を細めた私。とは言え、こちらは3姉妹。しかもとても「今」の小説です。

 

長女の綾香・31歳を筆頭に、次女の羽依、三女の凜と、それぞれの個性を存分に活かしてこの年代の女性たちをリアルに描いています。

 

同じ屋根の下で暮らしていても性格も行動も三者三様。決して生まれ育った土地が嫌いなわけではないけれど、もっと外の世界を知りたい。そのためにはここを出なければ・・・と考える三女。

 

この人か?あの人か?傷つきながらも常に恋愛というアンテナを張り巡らして恋に挑む次女。

 

結婚という文字が現実みを帯びて焦りに変化している長女。

 

やぁ、、女性にとってのこの10年間はある意味「勝負」の時期でもあるんですね。いろんな悩みの段階を経て、30代に突入してゆくものだなぁと、改めて実感します。

 

本書は姉妹の日常を通して、過ぎ去った日々を思い出したり、はたまた同世代の人にとっては結構身につまされる場面に出合うような小説だと思います。

 

特に次女が会社の人たちとBBQに行っての人間観察はエグいくらいリアルで黒々していました(笑)「あぁーこんな人いるなぁ」とか、「すごく計算してんな」みたいなね。

 

そしてそして、京都出身の綿矢さんならではの京都の街並みの細かい描写。京都に生まれ育ったひとならではの京都に対する想いなど結構覗けた気がします。特に姉妹の両親が持つ京都への執着とでも言うくらいの強い気持ちには驚かされました。

 

正直とりたて個性がある作品であるというわけではないが、癖のない素直な文章なので、流れるようにスイスイと読み進められるのが心地良かったです。

 

あぁそういえば、「細雪」もあんなに長かったのに、コレっていう大きな特徴があるわけではなかった。それなのに先が気になる感じはこの小説も一緒。

 

京都、姉妹、お年頃・・・・このキーワードが登場する小説にハマりやすい病をこじらせたようだ。