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*** 新しい本との出合いがきっとある★書評ブログ ****

【レビュー】お茶をどうぞ: 対談 向田邦子と16人

 

 

お茶をどうぞ: 対談 向田邦子と16人のレビューです。

 

お茶をどうぞ: 対談 向田邦子と16人

お茶をどうぞ: 対談 向田邦子と16人

 

 

今年もまた向田邦子

 

 

向田邦子さん関連の本は、毎年手を替え品を替え出版されている。
そのほとんどがどこかで聞いて知っている話であるわけだけど、
「向田邦子」と名がつけば手に取らずにはいられない。

 

知っている話だって何度聞いても面白いものが多く、
毎回同じところで笑ってしまう自分もなんですが・・・。
今年もお墓参りのように、向田さんの空気を感じることが
大切と手に取った新刊です。

 

タイトル通り向田さんと著名人の対談を集めたもので、
中にはすでにお亡くなりになっている方もいて、
「あぁ、もうこのおふたりはすでにこの世の人じゃないんだなぁ」と
改めて時の流れを感じる対談もあった。

 

書くこと、食べること、テレビ、おしゃれ、旅、家族・・・
どんな話題・どんな対談相手でも、飾らず、歯切れよく、
そしてユーモアも忘れず生き生きと会話する向田さん。
女性だけど男前だなーと感ずる部分も含めて魅力的だ。

 

いくつもの対談の中で、
私はやはり黒柳徹子さんと向田さんの対談が好き。
次々とテンポよく会話が切り替わってゆく感じが心地よい。

 

タクシー運転手にお金を渡したつもりが、

部屋の鍵を渡してしまったという
エピソードは、もう何度聞いても吹き出してしまう。
こういうおっちょっこちょいの部分も向田さんならでは。

 

台本は千本、ラジオは一万以上書いていると向田さんはおっしゃっている。
もう私にはそれがどのくらいスゴイことなのか想像もつかないけれど、
そこからまた小説を書き、直木賞まで受賞してしまうのだから、
彼女の才能は果てしない。
今、これだけのことをこなせる物書きはいないのではないでしょうか。

 

短い生涯、あっという間に去って行った憧れの女性。
もう生の声も新しい小説も読むことが出来なくなってしまったけれども、
こうして各出版社が今もなお関連本を出してくださることで、
今年もまた「向田邦子」に触れる時間が用意された。
あらためて感謝です。