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【レビュー】飲食男女(おんじきなんにょ)―おいしい女たち :久世光彦 

飲食男女(おんじきなんにょ)―おいしい女たち :久世光彦著のレビュ―です。

飲食男女(おんじきなんにょ)―おいしい女たち (文春文庫)

飲食男女(おんじきなんにょ)―おいしい女たち (文春文庫)

 

 

 

◆食と男女関係。そこにはなにか深い繋がりがありそうです

 

 

飲食男女。なんて色っぽい言葉なんでしょう。その昔、焼き肉を一緒に食べている男女は「そういう関係」って言われた時代があったっけ。昭和な私はいまだ焼肉をつつき合う男女を見るとこの言葉がよぎるから笑ってしまう。

 

久世さんが言う「食べることは色っぽい」ということは何となく理解できる。
食べ合わせは男女の相性に似ているし、昔は嫌いだった食べ物が大人になって美味しくなったなんてことも、男女の関係に当てはめることができるではないか。食と男女関係、そこには深い繋がりがありそうである。

 

ここでは「飲食男女」を「おんじきなんにょ」と読む。筆者は「いんしょくだんじょ」だと素気ないので宇津保物語や短歌の世界などで使われている趣深い読み方に変換した。

 

湯豆腐、苺ジャム、蕎麦、桃、とろろ芋、お汁粉、煮凝、ビスケット・・・・等々、春夏秋冬、それぞれの季節に登場する食べ物と過去に関係があった女性たち。色気漂う描写とひと昔前の風景が何とも言えない雰囲気を作り出している。

 

筆者が通ったアパートの「二階の女」。
彼がこだわったという二階の窓とは一体どういうことか。
二階の窓から女に見送られたいというのは、男性のひそかな願望なのだろうか。筆者は女が胸の前で小さく手を振っている数秒のためにこの窓に執着する。

 

二階の窓には桜子という女性がかつて住んでいた。彼女と桜餅から浮かび上がる思い出話はとても切なく、いつまでも尾を引くような話であった。

 

「櫻」という字は二階<貝>の女が気<木>にかかる。

 

筆者が母親から難しい漢字の憶え方で教わったもの。懐かしい町を歩きながらこんなことを思い出している筆者と二階の女の一連の話はいつの間にか繋がっていたような不思議なものとなった。

 

久世光彦さんのお名前は向田邦子さん関連やテレビ番組などでよく目にしていましたが、実際ご本人がどういう方だったのかはほとんど知りませんでした。本を読む限りでは相当のモテ男だったのではないかと。特に年上の女性とのあれこれが本当に多い(笑)

 

さてさて、あなたのとって色っぽい食べ物ってなんでしょう?
私は「焼肉」以外のものを模索中です。