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【書評・感想・あらすじ】村田喜代子の本よみ講座:村田喜代子

 

 

村田喜代子の本よみ講座:村田喜代子著のレビューです。

☞読書ポイント 

日頃、村田さんがどんな本を読んで、どんな風に感じ、影響を受けているのか理解できる一冊。ご自身の作品についても取り上げているので、村田作品のファンは必読です!聴講生の話も興味深く、大学の講義を受けているような感じで読めます。

 

村田喜代子の-本よみ講座 (単行本)

村田喜代子の-本よみ講座 (単行本)

 

感想

村田喜代子さんは10本の指に入るお気に入り作家のひとり。そんな村田さんがいつもどんな本を読まれているのか?とても気になっていました。なにせ、村田さんの情報って他の作家に比べてものすごく少ない。でも、こんなに読ませる小説を書く方なんですもの。いっぱい本を読んできたのだろうなぁということは、容易に想像がつく。

 

「村田喜代子の本よみ講座」は、福岡で50人ほどの聴衆を募って開催されたそう。本の海から村田さんが選んだ本を次々と考察して、読書の醍醐味を伝えてくれるというもの。

 

とにかくどんな本が選ばれるのかが楽しみで楽しみで。ピックアップされた本についてはここにはあえて書きませんが、ジャンルはかなり広く、国内外多岐に渡る。戦争やチェルノブイリ原発などの写真も話の合間に掲載されている。

 

 

 

 

全体的な感じは大学の講義のよう。ユーモアもちらほら。雑学もちらほら。グイグイと引き込まれていく。そして、私の大の関心ごとは村田さんの読書が、ご自身の作品にどう影響を受けてきたか?ってことです。

 

村田作品にはとにかく「飛ぶ」場面が多いのです。村田さんの代表作である「屋根屋」で「飛ぶ作品」の楽しさを知った私。後に読んだ作品の登場人物たちもあちこちで「飛ぶ」。これは一体どういうことがきっかけで村田さんはこんなにもみんなを「飛ばす」のか?と。

 

今回、長年抱いていたこの謎のお話を聴くことができました。「飛ぶ」はなしに関しては、聴講に来ている方たちの実話を含め興味深いものばかり。しかも、内田百閒先生も「飛ぶ」小説を書いていたみたいで(笑)もう、なんていうかウキウキが止まりませんでした。

 

 

 

 

取り上げた本のなかには、村田さんご自身の作品もあります。たまたま自分が好きな個所を深掘りされたので、なんだか目頭がまたまた熱くなる。最初に読んだ時も今とおなじように泣いたんだったなぁ。....なんてことをしみじみ振り返ったり。

 

他にも、戦争の本の紹介はかなり生々しく、これらも必ず読まなければと思わされた。また、わりと若い作家さんの書いたものも登場。アメトーーク!で読書芸人が紹介していた小説で、私も読みましたが、まさか村田さんも読んでいたとは!と、その意外性にも驚かされました。

 

ということで、どんな本が登場するか、楽しんでいただきたいので取り上げられた本のタイトルを書くのは控えましたが、間違いなく読書の幅が広がる内容であります。私みたいに村田さんの作品が好きな方は必読です。こんなチャンスはないとばかりに、ファンとしては楽しめました。東京でも講座やってほしいなぁ~。

 

 

村田喜代子プロフィール

1945(昭和20)年、福岡県北九州市八幡生れ。1985年、自身のタイプ印刷による個人誌「発表」を創刊。1987年「鍋の中」で芥川賞を受賞。1990(平成2)年「白い山」で女流文学賞を、1992年「真夜中の自転車」で平林たい子賞を、1998年「望潮」で川端康成賞を、2014年『ゆうじょこう 』で読売文学賞を、2019年『飛族 』で谷崎潤一郎賞を受賞した。(新潮社・著者プロフィールより)

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意外に知られてないと思うのが、村田さんのえほん。えほんであっても村田さんの世界がたっぷり味わえます。読み心地や読後感はやっぱり小説と似たものあるの。

 

【レビュー】もりへぞろぞろ:村田喜代子 - えほんの本棚

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