うずまきぐ~るぐる 

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【レビュー】私は幽霊を見ない:藤野可織

 

私は幽霊を見ない:藤野可織著のレビューです。

 

見たい、見たい、と思うと見えないものなのかも知れぬ

 

見たくないから見えてしまうものなのか?見たいと思うと見えないものなのか? 幽霊が見える、見えないって一体どういうことなのだろう?

 

わたし自身は何度か見たり聞こえたりしたことがあるので、なんとなく幽霊はいるんだなと思い生きて来た。しかし、自ら見たいとは思ったことはない。

 

著者の藤野さんは、見たくてしょうがない方。これだけ幽霊が見たいと思っていると、幽霊の方が逃げたくなるのだろうか?本書はそんな藤野さんが、どうにか幽霊が見られないものかと頑張っている。が、なかなかうまくいかないので、会う人会う人に怖い話はないかと聞き出し、それを集めたのがこの本。

 

タクシーの運転手さんから編集者の方々など、いろんなところで隙あらば怖い話に耳を傾ける。時には廃墟ホテルへ訪れたり、海外では、出ると言われているホテルに泊まったりと、自らその世界に飛び込んで行くあたりが凄い。まさに怖さ知らずなのです。

 

興味深かったのは「新潮社クラブ」に出ると言われている、三島由紀夫や開高健の霊。藤野さん、そこに泊まって検証。ま、見ないんですけどね(笑)

 

「国立民族博物館」ってどうなんだろう?犬の霊がいるとか、いないとか。地元では結構有名なのかな? 本書はちょっと怖い話が数珠つなぎ的に続々と登場する。わりと展開が早いので、怖いと感じる間もなく次へと行った感じです。人づての話が多いので、実感として伝わって来るものはほとんどなかった。

 

 

 

むしろ怖かったのは藤野さんご本人の様子にゾクッとしました(笑) 猫好きな藤野さん。想像上のペット「エア猫」を飼っているのです。その様子を書いたところを読むとちょっと寒い。

 

まぁそれはそれで「ありかもね」と、流していたのですが、今度は、野良猫に、「私のマンション、あっち。死んだらいつでもおいで。かわいがるから。私のパソコンの上で寝てもいいから」と、話しかけている。エア猫をなでながらずっと待っているそう。このあたりの藤野さんの様子が、この本で一番印象に残っていたりする。

 

ところで、幽霊を見るのに視力とか遺伝とか関係あるのだろうか? これ、考えたこともなかったなぁ。

 

ということで、怖さはさほど感じられませんでしたが、いつか藤野さんが本当の幽霊を見て「私は幽霊を見た」というタイトルで、続編を出版出来る日が来ることを祈っています。