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【レビュー】団欒:乃南アサ

 団欒:乃南アサ著のレビューです。

団欒(新潮文庫)

団欒(新潮文庫)

 

 

「家族だから」、「家族でも」━この二つの言葉が行ったり来たり・・・

 

へたなホラーよりずっと怖いと感じた「団欒」は、様々なかなり歪んだ家族の関係性を描いた作品。

 

世の中、友達みたいに仲良し親子がいると思えば、関係が冷え切って滅多に会わないといういう親子までさまざまなパターンがあるわけだけど、ちょっとそれが行き過ぎると、もうそれはホラーなみの歪んだ世界が出来上がってしまうものだなぁと背筋が寒くなる。

 

 

 

本書は5編からなる短編集。
冒頭の「ママは何でも知っている」から入るわけですが、これがもう不気味と言ったらならない。

 

漆原学園長の婿養子として妻の実家で暮らしを始めた男の日常は、じわじわと嫌悪感が襲ってくる。大好きな妻と生活できる喜びも束の間。上品で仲の良いこの家族の異様さが徐々に明るみになってゆく。

 

同じ歯ブラシを使ったり、一緒にお風呂に入ったり。娘は親になんでも話すもんだから、母親は娘の「排卵日」まで知っていて、挙句の果てには夫婦の性生活にまで口を出す始末。

 

「家族だから」、「家族でも」、この二つの言葉が行ったり来たり・・・頭の中が猛スピードで警告を鳴らしてくるような話にどっと疲労感が襲う。

 

どんなに抗っても、長年かけて築き上げて来た家族の絆に勝るものはないのか?婿養子に来た男の結末は惨憺たるもの。ぞぞぞぞーーと来る。寒い。寒すぎる。

 

それとは逆に家族関係が希薄ゆえに成り立っている話が「出前家族」。
二世帯住宅で暮らす老人が、ある日ニュースで「レンタル家族」のことを知る。

 

全員他人である人々がいわば「家族ごっこ」のような日を過ごし満足感を得るといったもの。肉親と一緒にいるよりよりレンタル家族のほうが居心地が良く・・・・といった、皮肉の効いた内容であるのですが、ラストに来てこれがまた・・・!?

 

その他にも、家族ルールが行き過ぎてしまったり、息子が死体を持ち帰ったりと、はちゃめちゃなブラックな話が登場。

 

もう、お腹いっぱいです(笑)なにか消化のいいものを今すぐプリーズ!