うちのご近所さん: 群ようこ著のレビューです。
感想:何気に気になるご近所さんの日常
親と同居の独身女性・マサミと家族、そのご近所さんの日々を綴った小説です。
実家暮らしということでマサミは子供のころから住んでいる場所。ご近所さんとのお付き合いも当然昔からの仲ということで、深く関わっているご近所さんも居れば、子どもの時から苦手な人もいる。
また、つい先日まで元気そうだった人が亡くなったりと、何気なく暮らしていても時の積み重ねとともにそこには人生ドラマが確実に生まれている。
なんとなくどこの地域でも居そうな人々。ウワサ好きのおばちゃん、怒鳴り散らすおじさん、特に仲がいいとかでない同級生、なんらかの宗教関係者等々、普通の町であっても、そこに住む人々ひとりひとりに焦点を当てると思わぬ濃ゆい世界があったりする。
そんなご近所さんの生活を覗いているみたいな面白さが本書にはありました。また家族にちょっとしたイラつきから「この家を出てやる!」と思っている主人公のマサミ。決定的な親子関係の崩壊や不満がない分、なんだかんだ小言は言いながらもゆるゆると親子関係が変わらず続いている感じも妙にリアルであった。
この小説のご近所付き合いはひと昔前の日本って感じかな。ご近所さんが亡くなって、掲示板に訃報を貼りだすなんて、昨今はないですものね。ましてやお葬式に行くなんてことは家の近所ではない。最近見ないなーって思っていたころ、人づてに聞く程でで・・・。
ご近所さん、あんまり距離が近いとそれはそれで面倒。しかし、まったくお付き合いがないのも寂しいもの。その匙加減が難しいと思うわけだけど、やっぱり誰が住んでいるのか分からないところより、顔見知りが多い町のほうがホッとするのは確か。
ということで、群さんの小説は久しぶりでした。ほのぼのした中にたまに辛辣な会話が投入されているあたり、やっぱりニヤリとしてしまいました。





