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【レビュー・あらすじ・感想】墓地を見おろす家:小池真理子

 

 

墓地を見おろす家:小池真理子著のレビューです。

墓地を見おろす家 (角川ホラー文庫)

墓地を見おろす家 (角川ホラー文庫)

 

 

墓地と寺と火葬場に三方を囲まれるマンション。見えない何かがひたひたと迫り来る恐怖

 

最初から最後の一行まで隈なく怖い。
怖い本を欲していた自分にとって大満足の1冊でした。

 

その朝、白文鳥が死んだ。

 

書き出し1行目から、すでに怖さが漂っている。地上8階・地下1階、14世帯のマンション。交通や生活面も良好と思われるこのマンションを3500万円という価格で購入し越して来た3人家族。

 

普通なら6000万クラスのこの物件が半額以下になった理由は、墓地と寺と火葬場に三方を囲まれていることでやはり買い手もなかなかつかない。

 

そして予想通り、日常生活で些細な怪奇現象が起こり始め、やがて本格的な怪奇現象へ発展して行くのですが、なにせ得体の知れない見えないものを相手にしているので、その分それが何なのか?想像がどんどん勝手に膨らんでしまいます。

 

犬が宙を見て吠えたり、子供が根拠なく怖がったり、エレベータの異常、次々とこのマンションから去って行く人々が残していった言葉。少しずつ浸食していく「何か」に包囲されていく感覚がなんとも不気味なんです。

 

そして地下室。この土地の過去の歴史と深い関わりのありそうな地下室でも「かまいたち」をはじめ様々な不可解な出来事が巻き起こる。住人達はその不可解なことの原因を探ろうと躍起になるが…。

 

 

 

「心霊現象、怪奇現象なんて…」という方も多いと思います。登場人物のほとんどはそんな人々で、墓地近くの家でも気にしてなかったのです。特に主人の哲平はその典型的な人物で、こんなことに翻弄されるまい…と気持ちを何度も奮い立たせるのですが空回り。やがてここから離れようと決心するのです。


その頃にはすでに他の世帯は皆退去してしまったという心細さ。「急いで逃げて!!」取り返しのつかないことになりそうな予感がひたひたと…。

 

果たして哲平一家は無事このマンションから逃れることが出来るのか…。引っ越しの日にクライマックスを迎えるのだが…。建てては行けない場所にビルやマンションを建ててしまっているケースって結構多そうですよね。

 

最近では地震関係で地盤の重要性も言われていることもありますし、しっかり調査してから家選びをしないと怖いなぁーと心底思ってしまいました。

 

それにしても怖かった。「あーまたあの憂鬱なマンションへ行かないといけないのか」と読みかけのこの本を開くたびに思ったのですが、そこを含めて怖さを堪能している自分も確かにいました。

 

ホラーとはいえ、日常の人間関係などもしっかり描かれています。小池さんのホラーを、もっと読みたくもなりました。怖いもの好きさんには、お薦めです!