モダンガールのスヽメ :淺井カヨ著のレビューです。
ファッションから生活全般、すべてがモガ!そしてついにご主人も!?
いやぁ・・・すごいな。
人はその時代の人になりたいと憧れをもって求めてゆけばそうなれるんじゃないか。
・・・・・ということを実感さえられた1冊。
その証拠に、本書には何枚もの大正末期から昭和初期の日本のモダンガールの写真が掲載されているのだが、それらに交じって、著者の淺井さんの写真もある。
淺井さんのことを知らない方がもしこの写真を見たら、きっとなんの違和感もなく「当時の人」として写真を鑑賞することでしょう。要は見分けがつかないほど、淺井さんのモダンガールっぷりが徹底されたものであるということです。
淺井さんはファッションを再現しているだけにとどまらず、生活全般にわたり当時のものを再現しながら生きていらっしゃる。
住んでいるところを下宿と呼び、部屋の中には黒電話や火鉢、洗濯板、墨アイロン等々、これらの道具は現役で使われている。氷式冷蔵庫を今でも使っている!
でもね、実は湯沸かし器やエアコンもちゃんとあるんです。こちらは目立たぬようにと「蓋」というものをかぶせてあるのがちょっとお茶目。
そして美容までも当然のように当時の女性たちと同じように実践。眉墨はコルクを焼いて作ってしまうのだからこれまたスゴイ。これらの知恵は当時の婦人雑誌にちゃんと載っている。
ポーズの取り方、喋り方、訪れる場所もレトロ旅館であったりと、その徹底ぶりを挙げてゆくときりがないのだが、私が一番驚いたのは、「モダンボーイを見附ける」というページ。
「格好良いと思ふ異性を見付けるとその相手は、大抵お爺さんです。」・・・と淺井さんは語る。理想にかなうお相手と出会えるのか?年齢的にも孫とお爺ちゃんみたいだと難しいのは~とまったり読んでいたら、「プロポーズされた」という文字が目に飛び込んでくる!うわ~~
結婚のお相手も古いものが好きなモダンボーイ。おじいさんでなく、落ち着いた大人の男性。淺井さんの生き方をしっかり理解してくれる異性ということで、いやぁ…ついにここまで来たかーと。信念を貫き通してゆくといつかはこうしてご褒美が・・・そんなことすら思わされるビッグニュースでした。
とにかくお二人の写真をご覧になれば解ると思うのですが、本当にしっくりとお似合いなのです。お二人は新居を建てるとのこと。新居計画の話は読んでいるだけで心が躍ります。どんな素敵なお家ができるのか?是非是非、また紹介していただきたいと思います。淺井さん、お幸せに!