廃墟本:中田薫著のレビューです。
◆いるの?いないの? だれもいない廃墟に潜む何かが怖い。
廃墟と言えば、「過去の輝きが今ではすっかり…」的な光景を見て人は様々な想像を巡らす。
廃墟になった理由は色々あるのでしょうけど、夜逃げっぽいとも思われるほど建物内には当時のものが残っている。中にはホームレスらしき人が住んでいたりと、昔と今が混在している廃墟も。
経営資料が残されたままのホテルもあった。
年間来客数20万人、売り上げ21億円オーバーを誇っていた老舗ホテルが、晩年はその10分の1以下まで売り上げが落ち込んでみ、ついに閉館。・・・なんて生々しい実況ともいえる資料から、ホテルの華々しい過去を知る。
当時ここで働いていた人々、訪れたお客さんたちの姿も消え去り、すっかり時間が止まっている。一体いつからこんなにも荒れ果ててしまったのだろう。頼りなげに佇んでいるホテルの風景は、たとえ写真であっても何とも言えない寂しさに包まれます。
ホテルや病院、レストラン、ストリップ劇場、遊園地、研修所等々、内容は違えど、廃墟になるとみな同じような空気感がそこに漂う。
廃墟のもの哀しさと同じくらい、つい考えてしまうのは廃墟=心霊スポットになりがちということ。人が往来していた場所なだけに、その想いが残っているというか溜まっている場所という気がして怖悲しい。
そして・・・
「もしかして・・・」なんて落ち着かない気持ちで読んでいたら、「うそ!」と声が出てしまうほど妙なものが目に飛び込んできた。あまりの怖さに一旦本を閉じた。
しかし、どうにも気になり鳥肌総立ちさせながら再度開くと、やはり「らしきもの」が写っているのです。
あまりに生々しいので「やらせか?」なんて思ってしまう。だって、編集の段階で絶対気づくでしょ?的なレベルなんですよ。ハッキリわかります。
詳細は以下の通り。
21ページ。「厚木恵心病院」の廃墟で、手術室の写真です。
あまり色のない部屋に不自然なほど青いところがありその上に目が吸い寄せられたのですが、「ひぇーーーー」となるものが。。。
なんだろう、なんだろう・・・冷静になって見るもそれらしく見えてしまうから困ったもんだ。
本当は桜木紫乃さんの「ホテルローヤル」のような廃墟ホテルを見ていろんなもの哀しさに浸ろうとしたのに、21ペ―ジの一件で、もうそれどころじゃなくなってしまった感が^^;
まぁ、今年の夏のホラー始めとしてこういうのもアリかな。
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