世界「誰も行かない場所」だけ紀行:嵐よういち著のレビューです。
意外にもメジャーな国が登場するが・・・
たぶん自分が一生行かない所なのだろう。
だからこそ覗いてみたくなるこのタイトルにまんまと乗せられて手にしました。
全部で10章。
聞いたことのない場所ばかりが出てくるのかと思いきや、ポルトガル、スペイン、インドネシア、クウエート、モロッコ等、意外にもメジャーな国々が登場する。
しかし、どの国も危険であったり、よほど興味がないと行かないなど、観光客がわざわざ出向かない所へ嵐さんはあえて向かうのだ。
20年以上旅を続けているという嵐さんはすでに70カ国以上訪れているそうだ。今はネットで事前情報が入手できるようになったけど、それでも嵐さんが行くような場所の情報は乏しいことが多いそう。本書を読むとそんな様子がよく伝わってくる。
さて、一番興味を持った記事は「風葬を行う村」について。
その村はバリ島のトルニャン村という昔ながらの文化を持つ村だ。地元の人たちの評判も悪く、なかなか立ち入れない村はバトゥール湖の向こう岸にある。
・・・・って、おいおい、この湖なら私も訪れたことがある。
まさかその湖の向こうで風葬が行われていたとは!
写真もたくさん載っています。
頭蓋骨が並ぶ場面は結構衝撃的でした。
風葬が行える遺体には条件があり、「天寿をまっとうした人」ということ。
病気や自殺、赤ん坊や子供は対象外、別の場所に土葬される。
天寿をまっとうしても、傷があってはならないなどいくら本人が望んでも条件が揃わないと風葬は行えない。茅の中に寝かされ約3週間。怖いというより遺体が放置されているということに奇妙な感覚を覚えたと嵐さんは言う。
この村も少しずつ観光客の受け入れが進んで来ていると言いますが、興味本位だけで訪れてはいけないような気がしました。
その他、興味を持ったのはクウエートの章。
国民の平均年収1500万というお金持ちの国の人々の生活っぷりを覗く。そこにはびっくりするような光景も。
内容は若干粗めに感じたが、世の中にはこういう場所があるのだということを知れる良いきっかけにはなる。世界はどこまでも広いなーと。