インド夜想曲:アントニオタブッキ著のレビューです。
感想・あらすじ 永遠に見つからないものを探しに…そんな旅なのかもしれない
あるイタリア人の男性が、インドへ行ったまま行方不明になった友人を探しに、この地を訪れその跡を追っていくといった話。ボンベイ、マドラス、ゴアと私達も彼と一緒に各地を周ります。
元来の目的の友人探し…しかし、読み進めて行くと、「あれ?何しに来たのだっけ?」
「あれ?バスはどこへ向かうんだっけ?」と、迷走してしまう自分に戸惑い始める。
行く先々で出会う不思議な人々がそうさせているのか?インドのようで、インドを感じない静かな世界がそうさせているのか?
敢えて先を急いだり、答えを早く求めようとすると、一気にはぐらかされるような…そんな気持ちに何度もさせられるのである。
最終的になにか一つでも明らかになったのか?
求めたところで何になる?
これはこれでいいのだって思えたりもする。
白黒はっきりしないのは好きじゃなかったはずなのに…。
やっと捕まえた本なのに、読んだそばから消えていくような感覚さえ覚えるこの本。なんだか、夢の中で読んだ本という気もしてくるから不思議だ。
…不眠から永遠の眠りについたアントニオ・タブッキさん。
今頃どんな旅をしているのでしょうか?
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