乙女日和:山崎まどか著のレビューです。
感想:ほーっと一息、すべての乙女たちへ
お花見日和、洋館日和、噴水日和、映画日和、ホテル日和、美術日和、骨董日和、絵本日和、おいしいもの日和、等々…。1年の歳時記というくくりで、その時期に合わせて
「こんな場所へ散歩へ行かない?」という形で山崎さんが女子達の好きそうな場所を選んで紹介しています。
女子のお出かけ情報本といえば、わりとグルメ系が多い中、本書はガッツリグルメというわけではなく「場所」がメインといったムードです。
ここに出てくる場所は、のんびりした所ばかり。
人が多すぎる場所は苦手…なんて方にも良いかもしれません。
「東京名噴水めぐり」なんてものもあります。噴水ってこうやって取り上げられると、実に様々な種類があるんだなーと。
本と映画のはなしも愉しめる
山崎さん、かなりの読書家で、お母様が図書館で本を借りるという発想が全くなかっため、幼稚園卒業するころには300冊の絵本を持っていたというほど。羨ましい~。なので、絵本の情報を含め、ちょこちょこ本の話と紹介が出て来るのも楽しいです。あと、映画の話も多いですねぇ。
行きたい場所が、自分と似ているというのもあるのですが、同潤会アパートのない表参道にまだ慣れずにいるという山崎さん。こういう些細なことから、大きな親近感が勝手生まれてしまい、すっかりファンになりました。
後半は、綺麗な風景写真付きで様々な場所を紹介。これまた私のかつてのドライブコースの葉山の写真が多く、懐かしスイッチを刺激されっぱなしでした!
東京及び近郊のお散歩という内容ですが、東京の観光ブックとしても使えると思います。スカイツリ―とか、お台場といったメジャースポットの東京観光に飽きたって方にもおすすめ。「素」の東京を愉しめると思います。さっそく、出かけたくなる場所ばかりでした~。
山崎まどかプロフィール
コラムニスト。女子文化全般、海外カルチャーから、映画、文学までをテーマに執筆。著書に『オリーブ少女ライフ』(河出書房新社)、『女子とニューヨーク』(メディア総合研究所)、共著に『ヤング・アダルトU.S.A.』(DU BOOKS)、翻訳書にレナ・ダナム『ありがちな女じゃない』(河出書房新社)など。(ダ・ヴンチwebより)