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うずまきぐ~るぐる 

読書書評ブログへようこそ!読んだ本についてのあれこれを思いのままにぐるぐるかきます。

【レビュー】サハマンション:チョ・ナムジュ

 

サハマンション:チョ・ナムジュ著のレビューです。

 

韓国の社会情勢を抑えておかないと、ちょっと読むのは厳しい

 

韓国人作家・チョ・ナムジュさんの作品です。まずは作品の雰囲気をざっくり感じられると思うのでAmazonからの引用ですがご覧ください。

 

「世界でいちばん小さくいちばん異常な都市国家」である「タウン」。そこでは……。
「口にしたり書いたり印刷したりしてはいけない単語があった。…歌ってはいけない歌があり、読んではいけない本があり、歩いてはいけない通りがあった」。
その中で、「サハマンション」は「唯一の通路もしくは非常口のような場所だった」。そこには犯罪を犯して逃亡してきた者たち、「タウン」から排除された人々が流れついていた。---amazonより

 

 「ディストピア小説」は苦手なくせに、あらすじを読んで飛びついてしまいがちなわたし。今回はチョ・ナムジュさんの作品だし「彼女の名前は」を読んでいるので多分大丈夫でしょうって感じで借りて来てしまったのですが、結果、かなり苦戦して撃沈っす。

 

訳者のあとがきを読んで、「なるほど、こういう社会背景の流れから描かれていたんだ」と、頭のなかが整理されたと同時に、いかに自分が勉強不足だったかを痛感。

 

訳者あとがきによると

・2018年以降に増加して、大きな社会問題となってきた済州島のイエメン難民たち

・2015年に大流行したMERS(中東呼吸器症候群)

・韓国フェミニズムの大きな課題として議論され続けてきた堕胎罪の廃止問題

 

 

 

 この小説はどこの国の話かは不明で、あくまでも想像上の都市国家が舞台ではあるが、韓国で起きている社会問題とつながっている。こういう小説の根底には必ずその国の社会問題が反映されていることが多いので、このあたりを抑えてないと読んでいてもなかなかピンと来ない。逆にある程度知っていれば、いろんな場面でしっくり来るのではないかと思う。

 

知識のないわたしには、ただただ字面を追うばかりになってしまいました。伝えられることは、格差社会、貧困問題がどこまでも付いてくるような、ひたすら殺伐とした雰囲気と、笑顔もなにもない人々の姿....かな。なんていうか、能面の人々が動いているのを眺めている感じで、感情移入もできない。全く話に入れていなかった証拠です。

 

ということで、安易に飛びついてしまったことに少し後悔が残った読書。まぁ、こういうこともある。立ち直る意味でも同著の「82年生まれ、キム・ジヨン」を読もうと思う(まだまだ借りられないほど人気の本だけどね)