和泉式部日記: 川村裕子著のレビューです。
和泉式部日記 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス)
- 作者: 川村裕子
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川学芸出版
- 発売日: 2007/08/31
- メディア: 文庫
- クリック: 8回
- この商品を含むブログ (5件) を見る
モテモテ和泉式部の恋愛日記
日記はまさに、作者の人柄がそのまま反映されるという面白さがあるわけですが、和泉式部はこの4人の中で、最も小悪魔度が高いというか、モテモテで魅力のある女性であったことが際立っています。
蜻蛉日記の鬱々とした感じとは正反対で、読んでいて楽しいのはやはりこちらです。
和泉式部は「手紙名人」と言われるだけあって、自然に出て来る歌の中にドキッとする言葉を使う才能があるそうで、その手紙にやられた男性も多かったわけです。
また、かなり自由気ままに恋愛を謳歌。男性関係も賑やかで恋多き女性なのです。
橘道貞と結婚し、その後、冷泉天皇の子供である為尊親王、そして、為尊親王の死後、その弟の敦道親王と恋に落ちると言うなんとも贅沢な遍歴。それゆえ、スキャンダルの的にもなるわけで、誤解されることも多かったという。
この日記はそんなハイソ兄弟との華やか恋愛模様を描いたもので、手紙のやり取りを含め、その駆け引きがすごく面白い。和歌に関しては147首もあるというから凄いですよね。
今でこそメールで時・場所構わず送りつけることが出来ますが、和歌を作りそれを配達してもらっては返事を送り続けるわけですから、男性も女性もマメでないと恋愛レースにすら参加できないんじゃないかな。
さてさて、和泉日記の構成は(本書から引用)
①なかなか進まない恋(1段~17段)
②燃え上がる恋(18段~32段)
③現実を変えた運命の恋(33段~35段)
恋、恋、恋!って構成ですよね。外泊あり、ガレージの車の中でムフフありと、かなりお盛んなんです。
それもこれも敦道親王とは忍び愛。人目を避けて逢い続けるスリルと募る想いに燃え上がるという構図があり、読んでいる方もすっかり巻き込まれてしまうんです。
やがて、正妻の住む宮の邸へ迎いられる和泉式部。さて、この環境の中でうまくやって行けるのだろうか…?
テンポも良く話の流れもわかりやすく、とても充実した日記です。そして何と言っても和泉式部が大変魅力ある女性だったということに尽きます。
内容が内容だけに教科書などにはあまり採りあげられないそうです。ん~~もったいないなぁ…。




