うずまきぐ~るぐる 

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【レビュー】黄色いマンション 黒い猫:小泉今日子

黄色いマンション 黒い猫:小泉今日子著のレビューです。

黄色いマンション 黒い猫 (Switch library)

黄色いマンション 黒い猫 (Switch library)

 

 

同世代ならことにあの頃の空気が共有できるエッセイ

 

あー読み終わってしまったよ・・・・
楽しみにしていた昔の友人との集まりが終わるときのようなあのちょっと離れがたい切ない空気に似ている。

 

アイドルだった小泉さん。一般人の私。同世代ではあるけれど、当時の芸能人は
今よりもずっと遠い存在であった。だから長い年月を経て彼女の話をこんなにも近い距離感で聞けることがなんだかとても不思議でならない。

 

あの頃なんの接点もなかった人なのに、振り返ればなんだかたくさん共通点があるような気もする。この本を読みながらまるで昔一緒に遊んでたんじゃないかと錯覚してしまうほど風景が浮かぶ。

 

ちょっと背伸びして行くカフェ・ド・ロペ。
夜の原宿でひときわ賑わっていた、キーウエストクラブ。

古い建物や場所がいつの間にかなくなってしまい淋しい思いも随分したもんだ。

 

雨の日の246がキレイなのもたしかに私も見た!
クラブに入るときのちょっとした緊張感、分かるなー
好きな音楽聴きながら私も東名飛ばしてた(笑)

 

鮮明にあの頃の忘れていた風景が目の前に現れる。
小泉さんの話から私自身も思い出の地を巡っている。

 

 

 

各エピソードを読むごとに意外にも行動範囲が似ていることが嬉しくて、あぁ、やはり同世代っていいものだと何度も何度も感じるのでした。

 

あのころは画面の中の人でしかなかったキョンキョンが、いつしか同じ時間を過ごしてきた古い友達のように思えてくる。

 

本書は小泉さんのご家族のことにも触れている。特にちょっと小粋なお母様と、娘である小泉さんとの独特な距離感はとても好感がもてる。

 

渋谷駅の歩道橋からホームに立っているお母さんの様子を綴った話は印象的であった。娘が見る母親のもうひとつの顔とは?(ああ、そういえば、もうあの東横線のホームも

見えなくなっちゃったね。)

 

もうひとつ、飼い猫との別れの話は夜中に号泣してしまった。
これは外では読めませんぞ。

 

片足の傷痍軍人さんが街中に居たことを知っている私たち世代。
お母さんの手をギュッと握りしめて通りすぎたこともあったよね。

 

年頃になって朝シャンンしたり、リップを塗りまくったり、クルクルドライヤーで髪を整え、その出来栄えによって一日の気分が上がったり下がったり。はたまた教室を抜けだして、遊びに行っちゃったり。もう本当にいろんなことを思い出しちゃいました。

 

時代とともに人も変わる、町も変わる。
流行りの歌も、ファッションも変わる。

 

でも、思い出のなかにある風景は確固たる形をもって記憶に刻まれ残っている。その風景を顧みるような時間を過ごしたような気がしています。

 

この先もきっと小泉さんは書くことを続けられるんじゃないかなーと思っている。常に一歩先を行く格好いい女性として、こういった形でいろんなことを発信し続けてほしいな~と切に願っています。