Web Analytics Made Easy - StatCounter

うずまきぐ~るぐる 

*** 新しい本との出合いがきっとある★書評ブログ ****

【レビュー】私が食べた本:村田紗耶香

 

 

私が食べた本:村田紗耶香著のレビューです。

 

 

☞読書ポイント 

ちょっと不思議な世界観を持つ村田さんの作品に魅せられている方は多いはず。そんな村田さんは普段どんな本を読み、何を感じているのか。村田紗耶香ワールドを知る手がかりとしてぴったりな一冊。

 

村田紗耶香と本まわり

 

とにかく最近気になる作家と言えば村田紗耶香さん。「コンビニ人間」を読んだときまでは、さほど村田さんの個性に気づかず、コンビニで働きながら執筆されている方っていうことぐらいしか印象はなかった。し、か、し、いろんな情報を知るにつけ、そして村田さんの他作品を読み続けていくと、なにかものすごいものを秘めている方と言うことが判って来る。じわじわと。

 

そんな村田紗耶香さんがどんな本を読んできたのか、どういう傾向の本を好むのか、ちょっと知りたくなってきたころに出会ったのがこの本。TVなどで村田さんを見た方はご存じだと思うが、淡々とした語り口調の村田さん。その感じがそのまま文章になっている感じのする書評。淡々と綴られてはいるけど、内容は猛毒とでも言おうか。やはり「うぅぅ」っと身を捩ってしまいそうな雰囲気なのだ。

 

「書評や文庫の解説を一冊にまとめた決定版」ということで、かなり詳しく解説されいるものから、あっさりコンパクトに評されているものまで、どの書評も村田さんの世界が炸裂している。個人的には既読本も結構あったのですが、自分には考えも及ばない感想を村田さんが書かれていて、これはもう一度読み直した方がいいかな?って思ってしまったほど。

 

村田さんの書評は自分語りの部分が特徴的で、ある意味この部分が強くて、作品本体の感想がかすむ。このことは村田さんご自身も気にされていたけれども、個人的には村田さんのことが知りたくて読んだわけだから、これはこれで満足でしたけどね。

 

村田さんの読書スタイルで印象的だった部分は以下の通り。

私には二種類の読書があって、一つは普通に読むだけの読書。もう一つは、何度も何度も、百回以上読み返し、そこに紡がれている言葉が自分の身体の隅々まで染み込むように、またその本の匂いが染み込むように、幾度も言葉の中を泳いで、私だけの一冊をつくり上げる読書だ。

 

すごいです。何百回も読んだことがある本って自分にはないなぁ。村田さんはしかも、その本がなくなると困るから何冊も買っておくとか、驚いてしまう話もありました。確かに村田さんの書評はなにか全身を使って文字を身体の中に吸い込んだり、食べたりしていく感じがするなぁと、読んでいて何度も感じました。そこがちょっと怖い感じでもあり、こんな風に読書できることにうらやましさもあったり。

 

 

 

引用文は山田詠美氏の「学問」の書評の一節でした。村田さんが山田文學のファンだったということは意外でした。そのほかにも川上弘美さんや桐野夏生さんなどの作品も登場し、村田さんの読書傾向は自分とそれほど遠いという感じはしなかった。ただし同じ1冊でもその感想はかなり違ったものだったりするので、別の作品のように感じるところがまた面白いところ。

 

後半は村田さんご自身のことや本にまつわることを集めたエッセイ。この一冊で村田さんの結構な部分まで知ることができました。作家であること、書くことなど、かなり繊細な部分もあるようで、作家になったばかりの時は身体的にもちょっとしんどそうだったけど、今はきっと順調なんだろうなぁと思う。朝2時に起きる生活は続いているのだろうか?コンビニも続けているのだろうか?などなど、現在の村田さんの生活も気になります。

 

ということで、今回は書評本なのに珍しく読みたい本のリストは増えなかったです。なんでだろう、面白そうな本はいっぱいあったのに、なぜか村田さん情報のほうに気を取られてそれどころじゃなかった。まぁ、そういうこともあるということで(笑)

 

【つなぐ本】本は本をつれて来る

*キョンキョンも書評を書いている
アイドルとして一世風靡した小泉今日子さん。最近は本の紹介を各所でされていることでも有名だ。そんな小泉さんが書いて来た書評が1冊の本に!選書はわりとオーソドックスなものが多いと思います。

www.readingkbird.com