チェーンメール:石崎洋司著のレビューです。
「虚構の世界で遊びませんか?」
もしまだ自分が学生だったら、結構こういう世界も
ありだと思えただろうけど、歳を重ねちゃうと、
「チェーンメール」なるものが来ても、
「あー新種のチェーンメールってこんな感じなのか~
よく考えるもんだね。」と、ちっとも怯えず、
そして私から誰かにそのメールが広がることもなく
終了してしまう…だろう。
なので、この小説を読んでいて、すっごいドキドキしたとか、
怖かったという感想は持てなかったけれど、
女子中学生たちの微妙な心理など、自分の学生時代とは
異なる様子だったのでなかなか興味深かかった。
チェーンメールというよりは、知らない者同士が、
ネット上で一つの小説をリレー形式で作っていくというもの。
4人の女子学生がかわるがわる一つの小説を書いていく。
内容はある少女がストーカーに追われるといった設定。
小説の展開を毎日この参加メンバー達は楽しみにしていて、
いつしか現実の世界より虚構の世界にハマって行く。
やがて、お互いのことが気になり、ネットを越えて行こうと
するのだが…。
世代ならではの逃げ場と安らぎ
こんな遊び方は現代ならでは。逃げ場がネットの世界というのも
哀しい現実だ。しかし、彼女たちを取り囲む環境のどこか歪んだ現状や人間関係を見ると、こういった場に安らぎを求めてしまう
気持ちも解らないでもない。
こういう世界は一過性のもで、やはりいつかは現実世界へ
戻って行くのだろうと思いたい。
…というか、昭和な私はチェーンメールより、
やはり「不幸の手紙」の方が怖い。
今もし受け取ったら、やっぱり泣きそうなほどビビるに違いない。
三つ子の魂百まで…って感じですかね?(笑)