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うずまきぐ~るぐる 

*** 新しい本との出合いがきっとある★書評ブログ ****

【レビュー】小さな幸せ46こ :よしもとばなな

 

 

 小さな幸せ46こ :よしもとばなな著のレビューです。

 

小さな幸せ46こ (中公文庫)

小さな幸せ46こ (中公文庫)

 

 

小さな幸せが生まれる場所

 

小さな幸せに気づける人こそが
本当に幸せな人なのだろうなぁ~と
ばななさんの本を読んで深く思う。

小さな幸せは、個人的なもので、
たいていは口にすることもなく通り過ぎてゆくけれど、
こうして書き留めておくことによって、
さらなる小さな幸せが生まれる。
さらに幸せをキャッチする感度が上がる。
そんなことを感じずにはいられないエピソードが
たくさんあった。

「夜道」という話は、ばななさんたちが夜の道を
ただ歩いている様子が書かれたものなのだけれど、
その空間がすごくいい。

それは一瞬の幸せなんだけれど、これからずっと先の日に
この時に感じた思いを馳せるような静かで穏やかな幸せが
なにげなくそこにある。

 

ばななさんご自身のことも知れる一冊

 

わたしは、ばななさんの小説はたくさん読んでいるけれど、
エッセイはほとんど読んでいない。

なので、ばななさんと言えば作品が全てで、
そこからお人柄を想像していた。

今回この本を読んで、ばななさんのご自身のこと、ご家族、
交流のある人々、生活等々、かなり私生活に踏み込ませて
もらった気がします。

そして、ばななさんから聞く話にどこか懐かしさを感じたのも、
ばななさんの生活から感じる気配が、ばななさんの描く
小説での世界にどこか似ているからなのだなーと
深く実感したのです。

ばななさん曰く
「小さな幸せが足りなくなったときに開いてみてください」


不足しているな~と感じたら、どこからでも良いので
一篇読んでみるといいと思います。

徐々に拡張されてゆくような、心が少しふくよかになって、
ちいさい幸せを見つけたくなります。
そして、この本を読んでいる「今」の小さい幸せにも
きっと気づけるはず。