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【感想・あらすじ・レビュー】裏家電:嶋戸悠祐

 

 

裏家電:嶋戸悠祐著のレビューです。

 

裏家電

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☞読書ポイント 

私たちの生活に密着した家電製品。それらを売る側の舞台裏はどうなっているのだろう?本作で登場する家電量販店はブラック。過労、パワハラ、ノルマ、犯罪等々、闇深い内容が続々と登場。後半は意外な展開へと。目が離せない内容です。

 

感想・あらすじ 

 

「裏家電」ということで、家電業界の裏側が覗けるのかと思った。「知っていれば、家電を購入するときの値引き交渉のヒントになるかも?」なんて下心もあったりで。とにもかくにも、家電は私たちの生活と切っては切り離せない存在。たびたびお世話になる電気屋さんの世界へいざ!

 

はじまりは町の小さな電気屋さん。父の店を手伝う娘・東城萌絵の夢は、「トージョー電器」を今より大きくして、誰からも愛される電器屋にすることであった。しかし、父親が交通事故でお店を続けることが不可能になってしまった。なんとか店を存続させようと萌絵は頑張るが、やがて限界が。そこで経験を積む意味でも、全国チェーンの家電量販店に高卒で入社したのだが....。

ここからチェーンの家電量販店のお仕事小説へとシフトしていく。はじめは萌絵の「お客様に満足をいただくため」の押しが強く、張り切りすぎる場面が続き「大丈夫か?」とハラハラしていた。こういうパターンはお仕事小説でよくあることだし、ちょっと平凡だなぁ~なんて思っていた。

 

しかし、係長の水上が登場したあたりから雲行きが怪しくなっていく。いわゆる「違和感」が。仕舞に萌絵は退職。主人公だと思っていた萌絵が消えることにより、次の人物に話は移る。

 

 

 

 

あれよあれよと話はスピーディーに展開。前章で感じた「違和感」の正体がここから次々と明らかになったいくのだが、いわゆるブラック企業と言えるこの店舗。嫌なヤツ!と思っていた人物が実は...みたいなことを繰り返す。各々の視点から見ていくと、納得できる部分や、そういう経緯があったのか....等々、驚くべき事実を次々に見せつけられるのである。

 

そういう意味で、ちょっとしたミステリー小説を読んでいるようでもあり、後半はぐっと面白くなっていった。特に店長・副店長・係長の役職者たちの意外な事実を知った時の驚きと言ったら!「こんなことになっているなんて!って。はよはよ、なんとかせい!」と、まさに真っ青な展開でした。とは言え、最終的には綺麗に着地!って感じでひと安心。めでたし、めでたしです。

 

ということで、想像していた内容と大きく違った感はありましたが、いい意味で楽しめました。しかし、過労、パワハラ、ノルマ、犯罪等々、闇深い部分もたくさん登場しただけに、リアルな家電量販店は大丈夫?と心配になったりも。

 

こうした大型店舗も必要だけど、町の電器屋さんも必要だなぁと思う今日この頃。昔はいっぱいあったけど、自分の住んでいる町も残るは1軒のみ。そこも最近休みがち。販売から修理まで、昔の電器屋さんは本当に便利だったなぁーと、しみじみ思う。

 

 

 

 

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