絶対に出る 世界の幽霊屋敷:ロバート・グレンビル著のレビューです。
- 作者: ロバート・グレンビル,ナショナルジオグラフィック,片山美佳子
- 出版社/メーカー: 日経ナショナルジオグラフィック社
- 発売日: 2018/07/20
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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何を期待して読むか。怖いという気持ちを高めて読めば怖くなるかも!?
タイトル勝ちでしょうか。
好奇心旺盛の怖いもの好きな人のツボを押す魅力的なタイトル。
脇目もふらずに図書館に予約を入れたわけですが・・・。
こういう本の評価はちょっと難しい。
読者自身が何を期待しているかによると思います。
読後に振り返ってみて私は一体何を期待してたのかな~と。
・読んでみて行ってみたいと思うのか(そもそも怖いところに行こうとは思わない)
・なにか怖いものが写っているかも?
(それはちょっとあるけどそこまで期待してない)
・マメ知識として知っておきたい
(世界のどこに出るとか知ってても披露する場もなし)
・夏だから怖いモノでも読んで涼しくなりたい
(この夏の暑さは読書くらいで緩和されるわけがない)
など、ゴソゴソと書きながら考えたわけだけど、実は読む前からほんとはたいして期待してなかったということが判明。ただひたすらこのタイトルにやられたとしか言いようがない。
で、肝心の内容ですが、何も知らなければ、海外の綺麗な建物図鑑的な写真集。
そこにちょっとした幽霊話が添えられているのですが、それも怖くないです(笑)
「灰色の貴婦人」とか「赤い貴婦人」とかカラフルな貴婦人がやたら出る海外のお城事情は、どこか幻想的なおとぎ話の雰囲気です。
白黒ページだったり朽ちた内部など、確かにちょっと寒々した風景もあるけれど、「写し方、写し方」と呟く。敢えて怖そうに写している意図的なものを感じます。
撮影箇所は、
城、要塞、ホテルや公共施設、家、屋敷、宮殿、工場、病院、刑務所、宗教施設、町、都市、島 などです。
往々にして出る場所は、やはり過去の悲しい出来事に起因している。
人が大勢亡くなっている場所は、万国共通出やすいみたいですね。
天然痘やペストで多くの人が亡くなった場所の話は、やはり辛いものがある。
しかし、私的には欧米のお城などの建造物の写真集を見た感覚で、怖さは全くなかったです。
あえてひとつ挙げるとすれば、スロベニアのプレジャマ城。
13世紀に石灰岩の前に建てられたというお城ですが、これが寒々しい雰囲気で・・・。彷徨える霊が今でも出るというのが解かるような「気配」を感じました。
「世界の」とあるのにアジア圏が少なすぎる。
アジアが登場したらまたひと味違った空気感がきっと出ただろうに。
ということで、まずは何を期待して読むのか?読んで満たされるか満たされないかは、そこに決め手があるように思えました。