うずまきぐ~るぐる 

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【レビュー】毬子―吉屋信子少女小説選: 吉屋信子

 

毬子―吉屋信子少女小説選〈5〉 吉屋信子著のレビューです。

 

 

「袖振り合うも他生の縁」が、しみじみ感じられる少女小説

 
吉屋信子さんの「少女小説」にハマりつつあります。
何と言っても、どの本も装丁のレトロさに、読む前からテンションが上がりっぱなしです。

 

ということで「毬子」。

吉屋さんの描く作品に登場する人々は、善良な人々が多い。
そして、主人公の少女は素直で健気。そんな中にちょっと悪いオヤジなどが登場するのですが、こういう悪い奴は後々、吉屋さんが上手くやっつけてくれるので、安心して読めるというのが心の中のどこかにあるのです。

 

「毬子」は関東大震災で母親を失い、そこから、様々な人々に育てられる少女の話です。


異人館のフランス女性エルザに育てられるのですが、やがてエルザはフランスに帰国することに。養子募集の際に現れた男はエルザを騙し、毬子を芸者屋に売り飛ばそうとするが、毬子は自力で逃げ出します。

 

そこからは、心暖かい旅芸人の親子丼一座の人々の出会いがあったり、やむを得ず見世物小屋の「人魚」となったりと波乱万丈の生活を送ります。

 

良き人々の出会いや別れを繰り返すが、別れてもなおも「毬子」のその後を皆は気にかけています。それもこれも、毬子が本当に優しく、素直で良い子だからです。

 

見世物小屋の「人魚」になった毬子は読んでいて、いたたまれなかったけど、いつか大きな幸せを掴むための前置きなんだという気配を感じながらラストへ繋がって行きます。

 

ラストに関してはちょっと出来すぎじゃないか?と思う方もいるかもしれないけど、いえいえ、これくらい大袈裟に一気に状況が変わるからこそ感動がひとしおなのではないか?この時代の「少女小説」ならではの展開だと思うのです。

 

バタバタと色んなことがハッピーに片付いて、最後に全員舞台に上がり、手を繋いで現れる感じです。大きな歓声や拍手が聞こえてきそうです。


そして、悪者はもちろん、吉屋さんの手によって退治されます。

 

「袖振り合うも他生の縁」この本を読むと、しみじみこの意味が感じられるのです。他人の世話などしている場合でない状況でも、快く少女を引き受ける人々のその心意気がなによりも印象に残った話でした。

 

 

 

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