100年前の女性のたしなみのレビューです。
無理無理無理…と何度もつぶやいた100年前の女性のたしなみ
文明開化後の時代に、女学校の教員がまとめた女性のための百科事典を
現代語に直した本です。昔のマニュアル本ってところでしょうか。
「家庭」「結婚」(礼儀作法」「身だしなみ」「化粧」「教養」
番外編として「男女処世の禁条」という構成。
まさに原書に忠実にといった様子で、心得の数々が次々と出てきます。
まぁーとにかく慎ましやかというか、私には無理なことばかり(笑)
名前のつけ方ひとつとっても、男性とは同格ではないことがこの時代。
男に生まれなきゃ損じゃないのということを感じさせられます。
面白かったのは「化粧」
目じりが下がってるのをまっすぐに見せる方法
目が小さいのを人並みに見せる方法
丸い顔を長く見せる方法など、かなり具体的に図解されていて結構、今のメイク術に通ずるものがあったりする。
以前、職場の先輩に海外に出るなら「楽器」「スポーツ」「ダンス」
どれもひとつずつ習得しておいた方が良いわよ…と言われたことがあった。
100年前の華族の娘の教養がこれに近く、
1、ダンス 2、唱歌 3、奏楽 4、談笑となっている。
これは西洋貴族文化を模倣したものとのことだが、なるほど、国際交流の場で必要になるものは言語だけではないことが伺える。
これら、現在の皇室の方々が外交されているシーンを見るとさらに頷ける。
さて、一番本書で面白かったのは最終章だ。
こういう人と結婚してはダメだ的なものが、ズラリと並ぶ。
女性のみなさま、お怒りのご準備を!
小説にふける女は娶る勿れ この類で良妻がいたためしがないから
なにをーー!ですよね。 …いや、当たっていますかね?(笑)
もう理不尽な内容のオンパレードです。女性だけでなく男性に対しても辛辣です。
頬骨の間が狭く、眼下にくぼめるところがある男を嫁する勿れ
肺病で間もなく死ぬだろうから。
……って、あなた!なにもそこまで。
とにもかくにも、真面目にこんなことが書かれていること自体に驚愕した。
たった100年前なのに、こんなことが普通だったのが、なにかとても不思議に思える。