オカメインコに雨坊主:葦原すなお著のレビューです。
感想:雨上がりに虹を見たような読み心地
オカメインコ好きなため、「オカメインコ」がつく小説とくれば、つい手にとってしまう癖があります。ってことで、本書もタイトルから出会った小説です。
画家の「ぼく」は乗る列車をうっかり間違え、そのまま乗って辿りついたのは美しい山間の村。
とりあえずの宿を探しているところで出会った一人の少女チサノ。この少女の言動にめちゃめちゃ私ハマりました。
場末のスナックのママみたいに人生を悟りきった大人びた言葉を使って会話する子供で、ちょっと気だるい雰囲気を醸し出している。
「ぼく」はよろず屋のばあちゃんとその孫娘チサノの家に泊まり、そのまま居候をすることにした。自然と戯れ絵を書きながらゆっくりした生活を送るようになるぼく。
そんなのんびりした中にも、たびたび出くわす不思議な出来事。梅雨の時期に現れる雨坊主、遠く離れた場所でも誰かが亡くなると分かるというアイルランド人のノートンさん。
どこかちょっと向こうの世界とつながっているような幻想的なお話が多い。決して怖い話ではなく、自然と繋がっているんだなぁと思わせてくれる感じなのだ。どの話も読んだ後は雨あがりに見る虹のような感じだった。
なんといってもチサトちゃん!
オカメインコに惹かれて借りた本でしたが、あまり登場はしなかった。けど、思った以上に心地良い話ばかりで良い出合いとなった1冊でした。
何といってもチサノちゃんだなぁ…。幼い威厳を発散しているチサトちゃんが登場する場面は途中からすごく楽しくなっていた。
ランドセルに、画版に絵具箱、布の大きな袋と、墨でよごれた把手のついた箱、そしてピンク肩かけかばんを提げた女の子。学校行くのだって大荷物。大変なんだよねぇ。
「女が苦労しているあいだ、男はそうやって一銭の得にもならないことを考えてるんだから、呑気なもんだ」
こんな口調のチサトちゃん。もう大ファンだよ。




