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【レビュー】星祭りの町:津村節子

 

星祭りの町:津村節子著のレビューです。

星祭りの町

星祭りの町

 

 

 

戦後間もない時期の七夕まつり ─────津村節子氏の自伝的小説

 

 

七夕と言えば、日本各地で行われる「七夕祭り」。
有名どころと言えば、仙台や平塚でしょうか。

 

本書は戦後間もない埼玉県・入間川の様子を描いたもので、こちらでも戦前からこの七夕祭りは行われていたそうです。

 

内容的には七夕がメインというわけではないのだけど、入間の七夕祭りの賑わいが戻ってくることによって、日本が、日本人が、少しずつ元気を取り戻して行く様子が感じられます。

 

両親を亡くした3姉妹。彼女たちと祖母は入間川に疎開をする。

戦後、基地の町になった入間川には大勢の進駐軍士たちがやって来て、それに合わせた飲み屋やお土産屋などが増える。

 

進駐軍と戯れる厚化粧の日本人女性たちの変貌を目の当たりにし、複雑な心境でそれを眺める次女・育子。

 

日本の先がまだまだ見えなく、混乱している中、三姉妹は自立を目指し、自分たちの将来を模索する。自伝的小説ということで、かなりリアルなんです。

 

 

 

疎開と言うと、もっと遠い場所に行くというイメージがありましたが、東京からこんな近い場所も疎開先のひとつだったということは意外でしたし、同じ食料難でも、都内と入間川では状況がだいぶ違っていたことも初めて知りました。

 

また、育子が通うドレメが大変人気があったこと。かなりハードな授業など、現在の被服の土台はこうした女子たちに支えられて来たのだと実感。

 

入間は車で通ったことがあるぐらいで、どのくらい昔の面影が残っている町なのか分からないのですが、今でも入間基地があるし、「狭山市入間川七夕まつり」として、七夕まつりも健在のようだ。

 

な、なんと関東三大七夕祭りに数えられるものらしいのですよ。
(入間川・茂原・湘南平塚)歴史あるお祭りなのに知らなかった~。

 

戦争により思いもよらず基地の町になってしまった町。
進駐軍が大勢押し寄せ闊歩する町。

 

戦後間もない時期、ある町に絞った話ではあるが、戸惑いながらも米軍と関わって来た町の人々の様子が、私たちにも分かりやすく描かれている小説でした。

 

<狭山の七夕まつり>

狭山の七夕まつりは、江戸時代の中ごろから行われていたと言われています。この頃の七夕は、1メートルぐらいの笹や竹の枝などに短冊や千代紙などを下げて、五穀豊穣や無病息災を願い家々の軒下などに飾りました。
また夏の日照りによる干ばつが起こらないように、雨乞い祭りとしての意味もありました。従って、この祭りが行われていた8月の6日か7日のいずれかは、夕立などの雨が降るといった現象がありました。
現在の七夕まつりは、土曜日と日曜日の開催となっています。また、短冊に書く願い事は、里芋の葉にたまった夜露で墨をすり、子ども達は「どうか字がうまくなりますように七夕さま」などと書き、大人はお供え物をして今年も農作物がたくさんとれますようにとお祈りをするなどしたそうです。