ウォーターシップ・ダウンのウサギたち〈下〉:リチャードアダムズ著のレビューです。
駆け抜けた。うさぎたちと一緒に駆け抜けた。長い旅を終えた気分です。
あ~終わっちゃったなぁ。
もう少し、うさぎたちの世界に居たかったなぁ。
「ねぇ、ねぇ。お父さん、もうちょっと、もうちょっとだけ、お話して!」
もし、私が著者のリチャード・アダムス氏の娘だったら、こんな風に「おねだり」をしたことだろう。
あとがきを読んで驚いたのがこの話は、ある日の旅行の時に「今まで聞いたことがない長い話を」と二人の娘さんにせがまれて始めたというのです。
リチャード氏は家族と長い自動車旅行をよくしていたそうで、いつも二人の娘に話をしていたという素敵なお父さん。このエピソードを最後に読み、ますますこの物語のファンになりました。
さて、上巻から少し間をおいての下巻になりました。
なので、冒頭、登場するうさぎたちの名前と性格が一致せず混乱模様。
ウィキペディアでまずはおさらいしてからスタート!(笑)
下巻はとにかく戦いの日々だった。うさぎたちはようやくウォーターシップダウンに辿り着き、平和な日々を過ごしていましたが、「牝うさぎ」の必要性を感じ、他の村から連れてこようと試みるのですが、これが困難の連続、次第に「大乱闘」になってしまうのです。
エフラファはウーンドウォート将軍に支配されているところで、うさぎたちには自由がなかった。牝うさぎたちのストレスも多く、ヘイズルはビグウィグたちを派遣し、牝たちを脱出させる計画を実行する。
下巻は計画から脱出までの壮絶なシーンの連続です。「もうダメかも」という山場が何度か訪れ、その都度ドキドキさせられる。また、厳しい環境の中、うさぎたちの仲間意識や思いやる場面に静かに感動させられることもしばしば。特にうさぎとゆりかもめのキハ―ルとの友情がとても良かったなぁ・・・。
イメージ的にはうさぎってのんびり屋さんで、戦いとは無縁の生き物って感じだったけど、この話を読んでからは、生きていくために、仲間を守るために、命をかけて戦う逞しさがある動物なのかもしれないなぁと。野うさぎたちに本当のところをインタビューしてみたいところです。
野うさぎの物語で上下巻?なんて最初は思ったのですが、残ページが少なくなるごとに、なんだか終わりたくない気持ちが増しちゃって。
さてと、人間の世界に戻りますか。いつか野生のうさぎの群に遭遇したのなら、
夢中になって君たちと駆け抜けた時間のことをきっと思い出すことだろう。
文庫本







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