目でみる方言:岡部敬史・山出高士著のレビューです。
☞読書ポイント
感想・あらすじ
久しぶりに読む「目でみる」シリーズ。いつも面白い視点から、様々な素朴な疑問に答えてくれる。何といっても一目でわかる写真が特長的で、本を一度開くと、最後まで次々と知りたい欲が止まらなくなる.....という本なのだ。
図書館の新刊コーナーにあったのでつい開いてしまったら最後、気になることが山ほど載っているものだから、結局、借りることに(笑)
ということで今回は方言。本書に出て来る方言は、全国的に知られている有名な方言ではなく、初めて聞く方言が結構多かったです。なので、ちょっとした異国の言葉を習っているみたいで新鮮でした。
例えば「救急絆創膏」ってこんなにも地域によって言い方が違うのかという。その地域で売られているメジャーなものが呼び方になっている感じでもあるのですが。私は東京なので「絆創膏」とか「バンドエイド」って言いますが、「カットバン」くらいまでは自分は使いませんが通じるレベルです。
しかしこれが九州や奈良で使われている「リバテープ」、北海道、和歌山、広島で使われている「サビオ」ともなると、なんのことなのかって感じです。ちなみにこのパッケージ。今ならネットで手に入りますが、やはりあまり馴染みはありません。
はじめて聞く言葉でも、なんとなく意味を感じ取ることが出来そうな方言も。印象的だったのは「飴が泣く」。言葉的になんか可愛い。これは新潟の方言で「融ける」って意味があるそう。砂糖や塩が湿気を帯びた時も「泣く」を使うそう。製菓業界でも使われいるんですって。これを大阪では「飴がわく」と言うそう。わく?わく?沸くなのかな?
とにかくいろんなパターンの方言が登場する。日本は漢字、カタカナ、ひらがなという表記のバリエーションに加え、各都道府県の持つ方言が無数にあり、本当に奥深い言語を使う国なのだなぁと感じます。そして、それらの言語にはたいてい意味があり、その土地に根付いて行くものだということも。
最後に、最近東京でもよく耳にする「御座候の今川焼」。「御座候」とは、てっきり店名だと思っていましたが、兵庫県の姫路市では「今川焼」のことを「御座候」と言うらしいのです。いや、店名が先だったのかもしれませんが、今川焼本体のことをさすとは知りませんでした。
ということで、読み始めるとついつい夢中になってしまう一冊。楽しく読めて、ちょっとした方言も知れてお得です!(笑)
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初めて読んだのはもう7年くらい前。今も変わらぬ面白さがあるシリーズです。表紙の写真は「引っ張りだこ」。語源も目で見ると解りやすい!