うずまきぐ~るぐる 

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【レビュー】左足のポルカ :手島織江

 

 左足のポルカ :手島織江著のレビューです。

 

少年の左足から抜け出た左足の冒険とは?

 

さぁさぁ、そこのお兄さん、お姉さん。
ちょっと変わった男の話を聞いてやってくださいな。

読み終えてこんなことを次の読者に呼びかけたくなった。

 

最近、こういう人はなかなか見ない。
野心剥き出し、チャンスがあったら意地でも逃さない。
常に「俺が!」と、前に出て行くタイプ。

 

この物語の主人公は野心剥き出し、ギラギラした「オレ」。
しかも、このオレは「左足」なのだ。

そもそもなんで「左足」?ですよね。
この左足の登場はある少年が崖から転落したことからはじまる。

 

「なんとしても、こんなところで死んでしまうのはいやだ。俺はまだ、左足としてのよろこびを十分に味わってはいない。俺の肌のなんとぴちぴちしたことか!俺は、俺だけでも助かってやるぞ!」

 

そう願った左足は、少年の体を離れ独立に成功。
さぁ、めくるめく左足の冒険が始まりますよ。

 

 

 

 

 

左足だけがぴょんぴょんと動き回る様は、不気味とも思われますが、自然に親しみが出てきて、いつしか誰かに捕まらないように…と願っている自分。冷や冷やしながらも、一緒にこの野心家のお伴をしている気分になって来るのです。

 

やがて、ある男の義足として活躍するも、もっともっと世界を知りたくなり南極探検の夢をみます。もちろん野心家ですから、その機会を見計らい計画をどんどん進めます。
果たしてこの左足は南極へ行けるのか?

 

とにかくこの奇想天外な世界が面白すぎます。口がないから話せない。だから口を作る。食べすぎて排泄機能がないから…と、次々と現実問題に出会うのですが、その解決法も斬新!斬新!シュールなのだ。

 

でも、そんなことは物語のほんの一部。

 

この左足のバイタリティにどこまでも魅せられます。
一か八か…そんな道のりですが、果敢にチャレンジする姿に心を打たれる反面応援しているのが「左足」という事実がなんだか可笑しくて…。

 

最後の締めくくりも非常に洒落ています。
クスリと小さな笑いが漏れたところで話が終わりました。

 

著書の手島織江さん、本書が創作物語の1作目だそうです。
いやぁー恐れ入りました。今後が楽しみな作家さんです。
2作目も期待大!!