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【レビュー】人生生涯小僧のこころ:塩沼亮潤

【レビュー】人生生涯小僧のこころ:塩沼亮潤著のレビューです。

人生生涯小僧のこころ

人生生涯小僧のこころ

 

 

 

◆すごいなぁ…と、ただただ頭が下がる思い…。

 

 

千日回峰行――
往復48キロ、高低差1,300mの山道を毎日、16時間かけて9年間歩き続ける。
この荒行は著者を含め、1,300年にたった2人しか達成した者はいない。
さらに、千日回峰行の後には、断食、断水、不眠、不臥
(食べない、飲まない、寝ない、横にならない)を9日間続ける四無行という行も成し遂げた

 

 

 

世の中にはこのようなことを自ら進んでやる方がいらっしゃる。
もう、その志を聞いただけで、「あっ、なんか申し訳ないです。こんな怠惰な自分で」
と、訳もなく懺悔な気分になる。

 

朝は午後11時25分に起床する。あれ?っと何度もこの時間を見直した私。
朝という概念から覆されるこの幕開け…

 

そして、死出の旅を意味する白い死出装束を身にまとって毎日山へ向かう。
片道24キロ、高低差1300メートル以上の険しい山道を
病気、怪我、天災、野生動物・亡霊との出会い等、
一切の理由に関係なく、行かなければならない。
出来なかったらそれまで。全ての修行はそこで終了。

生きるか死ぬか、毎日が限界への戦いがそこにある。

 

塩沼さんのお人柄がそのまま反映された文章。
とても丁寧で優しい口調で語られているので、通常なら眉間に皺を寄せて
聞くような話であるにも関わらず、何故か癒されている感覚になる。
なんか、体温を感じる文章なんですよね。

 

内容の構成は
なぜ千日回修行をはじめたかからはじまり、著者の生い立ちや
小僧時代、千日回峰行、そして四無行の話に至る。

 

四無行の話で断食、断水、不眠、不臥どれが一番辛いのかという話で
何よりも辛かったのは、水が飲めないことだったらしい。
やはり人間にとって必要不可欠は「水」なのだなぁ…。
と、避難袋の水の賞味期限を確認しに行く私は欲深い(汗)

 

今回この本を読み、たくさんのありがたい言葉を目にして、
これは覚えておくべきか…なんて思ったりもしたのですが、
再読したらきっとまた違う言葉が響いてくることだろうな~など
漠然と思いながら、だったら、また読み直せばいいか…
という気持ちになった。


おそらくこの本、再読するたびに違う感想が持てるのではないかと
思うのである。

…とまた若干、楽な道を歩む私がそこにいたりするんですがね。

 

【塩沼亮潤さん略歴】

昭和43年 宮城県仙台市生まれ
〃62年  吉野山金峯山寺で出家得度修行と研鑽の生活に入る
平成3年 大峯千日回峰行 入行
〃11年 大峯千日回峰行 満行吉野山金峯山寺1300年の歴史で2人目となる
〃12年 四無行 満行
〃18年 八千枚大護摩供 満行

現在、仙台市秋保・慈眼寺住職